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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

向こう2か月、7~8月の生産計画は2か月連続の前月比上昇を見込む。7月の生産計画は上方修正され、8月の生産計画も前年実績水準を上回っている。

 今年7月実施の予測調査の結果ですが、7月生産見込みの前月比は2.4%上昇が見込まれています。傾向的な予測誤差分を除外する加工をした伸び率を試算した結果では、最も可能性の高い7月の前月比は0.9%上昇という計算結果となっています。

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 7月の見込み値について、重要な点は、予測修正率、つまり6月調査時点における翌月(7月)の見込み値から7月調査時点における当月(7月)見込み値への変化率が、プラスになっていることです。予測修正率がプラスになるのは、平成26年2月調査以来のことで、2年半ぶりのことです。さらに、この平成26年2月調査時点ということは、消費増税前の駆け込み需要が発生した時期でしたので、それ以来の上向き生産計画ということになります。

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 この7月の報告結果において生産見込みを最も上昇させているのは、化学工業で7月の前月比見込みは、8.2%上昇とかなり大きめの上昇見込みとなっています。合成洗剤のような川下商品だけではなくて、化学原材料の生産(6月までの定期修理明け)においても増加品目が多いです。

 第2位の寄与となっているのは、はん用・生産用・業務用機械工業で、前月比2.4%上昇が見込まれています。流通設備や工場設備の生産計画が堅調なようです。

 第3位が輸送機械工業で、7月前月比見込み2.2%上昇が見込まれています。引き続き普通乗用車の生産増加がけん引役ですが、7月は軽乗用車の生産も復調する計画となっています。第4位が電気機械工業で、生産設備の駆動系、制御系の機械類やエアコンの生産が7月に見込まれる状況です。

 影響の大きさという点では、化学工業の上昇寄与が大きく、2位のはん用・生産用・業務用機械工業の上昇寄与が化学工業の6割程度です。続く、輸送機械工業や電気機械工業は、化学工業の5割程度ということになります。この4業種で、全体の上昇寄与を説明することが出来る状況です。

 

 また、7月の生産見込みを財別分類で見てみると、全ての財分類で前月比見込みがプラスとなっていますが、生産財輸送機械を除く資本財、耐久消費財の上昇への影響度合いが高くなっています。

 鉱工業生産の回復に併せて生産財が、企業の設備需要があって資本財が、そして乗用車の生産回復があって耐久消費財の生産が伸びることになります。

 

 8月予測については、2か月先となると不確定要素が大きいので、傾向的な誤差の除去は行っておりません。調査結果そのままで伸び率を計算すると、8月の生産は前月比2.3%上昇と、7月に続いて上昇見込みとなっています。

 8月の生産計画の上昇を生み出しているのは、圧倒的にはん用・生産用・業務用機械工業です。その寄与の半分以下で続くのが、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業です。逆に、7月のけん引役であった化学工業と輸送機械工業は前月比低下見込みです。

 はん用・生産用・業務用機械工業では、やはり大型の設備類の受注が入っているようです。

 電子部品・デバイス工業については、6月、7月と生産が比較的堅調な半導体集積回路に変わって、液晶素子の生産が増える計画となっています。また、情報通信機械工業では、パソコンと乗用車の生産回復や新車が投入されることもありカーナビが好調な生産計画となっています。

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 8月の生産計画の水準は、製造工業全体でも前年同月の実績水準を3か月ぶりに上回るものとなっており、その前年同月比幅もプラス5.4%上昇と比較的大きなものとなっています。8月の上昇寄与の大きいはん用・生産用・業務用機械工業でも3か月ぶりに前年水準を上回る計画ですし、電子部品・デバイス工業でも9か月ぶりに計画が前年実績を上回ることとなっています。

 ちなみに、8月は前月比マイナスとなっている輸送機械工業の生産計画も、前年実績を10.5%上回っていることも注目されます。

 

 7月の予測調査において、7月計画の予測修正率が久方ぶりにプラスとなったこと、8月の生産計画も前年実績水準を上回っていることなどに鑑みると、製造工業の企業が生産面で強気の予想を持ち始めているという結果になっています。

 

 

◎結果概要のページ

www.meti.go.jp

 

◎鉱工業図表集スライドショー

 

◎データ冊子

 

◎鉱工業指数 しくみと見方-入門スライド

 

 

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