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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

6月の鉱工業生産は2か月ぶりに前月比1.9%上昇。4-6月期は前期比横ばいで、生産が2期連続で前期比マイナスとなることは避けられた。

 平成28年6月の「生産」は、季節調整済指数96.5、前月比1.9%上昇と2か月ぶりの前月比上昇となりました。ただ、5月の前月比マイナス2.6%低下を補うことができず、指数水準は、4月の水準には戻れませんでした。前年同月比もマイナス1.9%低下と3か月連続の低下、3月を除けばこの半年は前年水準を下回っており、水準的にはまだまだです。

 

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 この結果、今年の第2四半期の鉱工業生産は、指数値で96.1、前期比横ばいとなり、辛うじて2期連続の前期比マイナスを避けることができました。とはいえ、四半期ベースでみると、昨年第4四半期に前期比0.1%上昇はあるものの、昨年、平成27年第1四半期をピークとして、生産指数は低下しています。

 

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 月々の生産指数は、この所上下動が大きいので、3か月移動平均で均してみると、やはり今年の2月の落ち込みが大きいのですが、その後の動きは横ばい気味であり、寧ろ第2四半期に入って、ほんのわずかですが、持ち直しているようにも見えます。

 

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 6月の鉱工業生産を業種別にみると、速報時15業種のうち、13業種が前月比上昇で、横ばい業種が「はん用・生産用・業務用機械工業」、低下業種が石油・石炭製品工業の各々1業種でした。

 鉱工業生産全体への影響度(寄与度)では、化学工業と輸送機械工業が第1グループ、金属製品工業、窯業・土石製品工業、電子部品・デバイス工業までが第2グループとなり、6位以下の業種の影響度合いは限定的です。

 

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 化学工業においては、上位の生産増品目にヘアリンスがあるように化粧品類の上昇が大きく寄与しています。同時に、石けん類の寄与も大きくなっており、これら家計向けの最終製品の寄与が大きくなっています。また、キシレンなどの石油系芳香族も化学工業の上昇に寄与してはいますが、有機薬品や環式中間物は前月比低下となっているため工場の材料として使われる化学工業製品の上昇幅は限定的です。

 

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 輸送機械工業では、先月の予測調査のとおり、普通乗用車の生産が前月比5.6%上昇となりました。2月、4月のサプライチェーンへの打撃からの復帰が見られます。他方、小型乗用車の生産は前月比横ばい、軽乗用車は前月比マイナスとなっています。生産上昇寄与品目として駆動伝導・操縦装置部品も上がっているように、自動車部品の寄与もありますが、ほぼ普通乗用車の生産上昇によって、6月に輸送機械工業の生産は上昇したといっても過言ではないと思います。このため、全品目の中でも普通乗用車の上昇寄与が最も高くなっています。

 

 この2業種の影響度からは、かなり落ちますが、橋りょうの生産が増加した金属製品工業、ファインセラミックスが増加した窯業・土石製品工業、そして集積回路が伸びた電子部品・デバイス工業が、6月の鉱工業生産のけん引役でした。

 

 これら5業種のうち、化学工業、輸送機械工業の動きを均して(後方3か月移動平均)を見ると、今年の第2四半期に生産が上向いて来ているようで、化学工業、輸送機械工業はともに第2四半期に前期比上昇となっています。

 

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 第2四半期の生産は前期比横ばいですが、第2四半期の生産に対してプラスの寄与を持っていた上位2業種は、輸送機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業でした。はん用・生産用・業務用機械工業は、6月の生産では横ばい業種でしたが、均してみた月次の推移も昨年末からは大分上向いています。

 

 

 昨年末から第1四半期の推移と比べると、業種の一部には、生産が上向いてきている業種も散見されます。鉱工業生産全体を、前年水準を超えるレベルにまで引き上げる程の勢いはありませんが、若干良くなってきている業種があるので、四半期前期比が横ばい、均してみた全体の生産指数がほんのわずかに上向いて見えるようになっているということになります。

 

 

 

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◎結果概要のページ

www.meti.go.jp

 

 

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