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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

5月鉱工業指数まとめ-5月は資本財の国内向け出荷は前月比上昇、投資向けサービスは低下。生産能力は横ばいで、30年ぶりの低水準。鉱工業指数の動きとサービスに違いがあった5月。

まとめページ 生産能力指数 設備投資 第3次産業活動指数

1.生産能力と資本財出荷
 平成28年5月の生産能力指数は、前月比横ばいとなりました。前年水準との比較でも昨年8月以降10か月連続で、前年同月比マイナスとなっており、低下基調が続いています。指数値94.6も、ほぼ30年ぶりの低水準となっています。

 先月同様に、5月も資本財の国内向け出荷が伸びているものの、そのほとんどが更新投資向けと思われ、5月の生産能力指数の上昇には結実していません。

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 5月の生産能力指数を機械工業と非機械工業(製造工業から機械工業を除いた分類)の動きをみると、非機械工業では、92か月連続で前年水準を下回る状態が続いており、余剰設備の削減が続いています。ただ、化学工業では、構造改善のゴールが見えてきたのか、久方ぶりに4月に生産能力が前月比で増加し、その水準が5月も維持されています。
 機械工業では、一昨年後半から昨年前半にかけて生産能力を増加させている時期もありましたが、今年に入ってからは5か月連続で前年水準割れとなっており、低下基調に変わっています。

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 過去の生産能力指数と稼働率指数の散布図(循環図)を見ると、生産能力指数が継続的な上昇局面に転換したのは、稼働率指数が110前後になったタイミングでしたが5月の稼働率指数は94.2と、転換点の稼働率指数にはまだまだ及ばない状況でした。

 資本財の出荷、特に、サプライチェーンが滞る事故や災害に見舞われた輸送機械工業を除いた資本財の国内向け出荷は、3カ月連続で前月比プラスとなっているのですが、これが国内の生産キャパシティーの増加に、ほとんど結びついていません。稼働率のもう一段階の上昇が必要ということなのでしょう。

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2.第3次産業活動指数との対比
 平成28年5月の第3次産業活動指数をみると、4月の高すぎた対事業所サービスが反動的に低下したため、前月比マイナス0.7%低下と2か月ぶりの前月比低下となりました。

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 指数値103.5は、今年の1月、3月に見せた水準であり、4月の極端な上昇からの反動減が生じて当然と考えれば、けっして低い水準ということではありません。前年同月比もほぼ14か月連続プラス(昨年12月は横ばい)で、5月も前年同月比0.7%プラスです。そもそも、指数103.5は、指数値としては101時点中上から14位タイという高水準で、この水準より高い時期というのは平成20年のリーマンショック前、消費増税前の駆け込み需要期と今年に入ってからの時期だけです。

 鉱工業生産が、昨年の最低値を下回り、四半期ベースでみても陰りが出てきていることに比べると、サービス産業活動は、5月前月比低下とは言え、まだ水準的には堅調と言えるでしょう。

 

 この中で、特に目立った動きを見せたのが、投資向けサービス指数で、前月比6.8%低下と大きく低下となりました。(輸送機械を除く)資本財の国内向け出荷が3か月連続で前月比上昇となっていたこととは対象的です。

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 また、対事業所向けサービスは、鉱工業生産指数との相関が高く、確かにこの5月は前月比マイナス1.6%低下と同じような動きをしています。しかし、3か月移動平均をとってみると、対事業所サービスは上昇基調となっており、多少鉱工業生産との動きが異なってきているようです。

 

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◎鉱工業図表集スライドショー

 

 

◎サービス活動図表集スライドショー