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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

5月鉱工業指数まとめ-5月の鉱工業生産は想定外に前月比大幅低下、稼働率も2か月連続低下。6、7月は輸送機械を中心に回復飲み込みだが、その勢いでは、第2四半期もマイナスの可能性。

1.生産、稼働率
 平成28年5月(確報)の鉱工業生産は、指数値で94.7、前月比マイナス2.6%低下(4月確報97.2、前月比0.5%)、前年同月比はマイナス0.4%低下でした。5月に実施した生産予測調査では、5月の実績は前月比横ばい程度が見込まれていましたが、結果的には想定外に大きく鉱工業生産が低下しました。
 指数値94.7というのは、昨年で最も生産指数の値が低かった12月の95.9を下回り、消費増税後2番目に低い値となりました。今年の第1四半期に続き、第2四半期も鉱工業生産が前期比マイナスとなる可能性も出てきています。

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 5月の鉱工業生産の業種別の動きをみると、化学工業、はん用・生産用・業務用機械工業が大きく全体の生産を押し下げており、また、4月の生産上昇寄与が最も大きかった食料品・たばこ工業も低下寄与が高くなっています。

 全体的な業種の動きをみると、5月は3月、4月の生産からの反動減で低下していますが、4月の生産低下業種における反動増の勢いが弱く(4月の低下業種8業種のうち、5業種が2か月連続生産低下)、生産全体が大幅に低下しているという様相でした。

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 また、5月の製造工業稼働率は、指数値で94.2、前月比マイナス2.4%低下で2か月連続の前月比低下です。鉱工業生産が大きく低下しているので、それに見合う形で稼働率指数も低下しています。
 稼働率指数の前年同月比もマイナス1.2%低下で、昨年11月の横ばいを挟んで、前年水準を下回る状態が続いています。そして、5月の指数値は、今年の2月の指数値を下回り消費増税後の最低値を下回りました。指数のグラフを見ると、稼働率は今年に入って大分悪くなってきているようです。

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 5月の鉱工業生産を振り返ると、2か月ぶりの前月比低下で、その低下の要因は、業種的には反動減ですし、生産財の生産低下によるところが大きくなっています。ただ、「2か月ぶり」とは言っても、3月と比べて年度明けの4月、5月は勢いが鈍化していると言わざるを得ません。既に多少レベル的には低くなっていますが、6月以降に生産の方向性によっては基調的な方向感も弱くなっていると判断せざるを得ないかも知れません。

 

2.6月以降の生産見込み

 6月に実施した製造工業予測調査の結果では、6月の前月比見込みは1.7%上昇(補正なし)、7月の前月比予測1.3%上昇(補正なし)という結果になっています。

 6月の前月比見込みが高めに見えますが、ここに含まれる傾向的な誤差を補正すると、前月比0.5%程度となり、場合によっては、マイナスとなることもあり得るという計算結果です。

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 そもそも6月の計画値は、5月当初の調査結果からも1%程下方修正されていますので、それ程強気の予想ということではありません。

 6月の生産上昇見込みには、情報通信機械工業も大きく寄与していますが、6月、7月トータルで見ますと、輸送機械工業の普通車の生産が本格的に回復することによって、2か月連続の上昇が見込まれるということになります。

 なお、6月の生産結果が予測調査結果そのままであれば、4-6月期、今年の第2四半期は辛うじて前期比横ばいを確保できますが、補正値で計算しますと前期比はマイナスとなってしまい、鉱工業生産が2期連続前期比低下ということになる可能性が出てきています。

 

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◎鉱工業図表集スライドショー