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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

5月の生産能力は、製造工業全体では前月比増減なしで、4月に引き続き過去最低水準。稼働率は、2か月連続の低下。

 平成28年5月の製造工業生産能力指数は94.6で、前月比横ばい、前年同月比マイナス0.9%低下となりました。この生産能力指数の値94.6は、平成22年の平均水準を100とした現行基準指数では、最低値となります。この現行基準で最低値の生産能力指数94.6は、ほぼ30年前の水準です。

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 生産能力指数の前年同月比をみると、昨年8月から今年5月まで、10か月連続で前年同月比マイナスという状態が続いています。昨年4月に55か月ぶりに前年同月比プラスに変化したものの、結局4か月しか続かず、再び生産能力が前年水準を下回りつづける状態となっています。

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 平成28年5月の生産能力は前月比横ばいですが、全14業種のうち、低下業種が電気機械工業、上昇業種が電子部品・デバイス工業でした。他の12業種は、横ばいとなります。電気機械工業は、電力計の生産能力が低下し、電子部品・デバイス工業については、固定コンデンサなどで能力増強が図られていました。とはいえ、生産能力という点では、業種的には、あまり大きな動きはありませんでした。

 

 5月の生産能力指数を機械工業と非機械工業(製造工業 除.機械工業)に分けてみると、共に横ばいということになりました。5月の能力上昇と低下は、機械工業内の業種で生じましたが、それぞれが相殺され、機械工業の生産能力も前月比では、横ばいとなりました。

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 しかし、前年同月比を見ると、機械工業は前年同月比マイナス0.5%低下、これで5か月連続マイナスとなり、現行基準指数で最低値となっています。
 非機械工業の生産能力は、この5月で92か月連続前年水準を下回っており、現行基準で過去最低値となっているのは、機械工業と同じです。

 


 平成28年5月の製造工業稼働率指数は94.2で、前月比マイナス2.4%低下と2か月連続の低下となりました。

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 稼働率指数を機械工業と非機械工業とで分けてみると、機械工業の稼働率は前月比マイナス1.7%低下、前年同月比もマイナス1.7%低下となり、これで17か月連続の前年同月比低下ということになります。生産が大きく低下したはん用・生産用・業務用機械工業や化学工業の影響が大きく現れた格好になりました。 

 他方、非機械工業の稼働率は、前月比マイナス2.6%上昇と3か月ぶりの前月比低下となりました。生産能力の削減が続いているので、生産が多少低下しても稼働率が維持されてきましたが、化学工業における定期修理の影響などで、非機械工業の稼働率も低下となりました。

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 この稼働率と生産能力の関係を描いた散布図を見てみると、平成27年第1四半期から第2四半期にかけて稼働率が大きく低下(左方向)したのち、生産能力・稼働率ともに、小幅ずつ左下方に低下してきました。暫定の第2四半期では、左下方への動きが大きくなってしまいました。

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 この循環図(散布図)でみたときに、ここ10年ほどの期間で、生産能力指数が本格的に上昇したのは、平成17年第1四半期から平成20年第1四半期の期間でした。生産能力指数が上昇局面に転換した平成17年第1四半期の稼働率指数は110前後でした。平成28年5月の稼働率指数は94.2ですし、4、5月平均でも95.4ですので、生産能力が上昇した局面の稼働率からはまだ大分離れているということになります。

 

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