経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

北米と中国の現地法人の活動の方向感が逆になっている。28年Ⅰ期は、中国からの海外出荷が前期比マイナス4.3%低下と、海外出荷指数全体の低下に大きく寄与。

 平成28年Ⅰ月期のグローバル出荷指数は前期比マイナス1.2%低下、そのうち、日本企業の海外生産拠点からの出荷である海外出荷指数も前期比マイナス1.2%低下と3期ぶりの前期比低下となりました。

 海外現地法人の立地地域ごとに指数化した海外出荷指数を、主要3地域、北米、中国(香港を含む)、ASEAN4に分けて見ていきたいと思います。なお、ASEAN4とは、インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシアの4カ国の合計です。

 

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 海外出荷に占める主要3地域の構成比(原指数ベース)を確認します。

 平成28年Ⅰ期の海外出荷では、北米の構成比が32.9%とほぼ3分の1を占めていました。海外出荷全体に占める北米の構成比は、平成23年Ⅱ期まで縮小傾向で推移していました。しかし、その時点における構成比約24%を底にして、北米の海外出荷の構成比は反転拡大となっています。

 一方、北米に次ぐ構成比となっている中国の平成28年Ⅰ期の構成比は19.1%で、20%を超えていた前期から構成比を下げています。日系海外現地法人の活動に占める中国の構成比は、平成23年Ⅱ期の約26%をピークに低下傾向で推移しており、タイミング的には、北米と逆サイクルになっています。

 なお、ASEAN4の構成比も若干ですが縮小しており、それぞれの地域の経済情勢を反映しているようです。

 

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 各地域指数とその前期比を確認すると、北米は、指数値(季節調整済)161.7、前期比1.8%上昇となり、これで北米の海外出荷指数は10期連続の前期比上昇となります。

北米の日系現地法人の活動は、平成23年Ⅱ期に東日本大震災による一時的なサプライチェーンの途絶によって、大きく低下しました。その後の5年弱の期間では、ほぼ一貫して活動レベルを上げています。特に平成26年Ⅱ期以降の2年ほどの期間では、海外出荷指数全体、あるいは他の2地域に比べて、明らかに上昇の勢いが強くなっています。

 

 中国(香港含む)では、指数値(季節調整済)125.0、前期比マイナス4.3%低下で、2期ぶりの前期比低下です。平成27年Ⅳ期は前期比上昇でしたが、同年Ⅱ期、Ⅲ期は2期連続の前期比低下でした。中国からの海外出荷指数のグラフをみると、その推移に「天井感」が出て来ているように見えます。

 

 ASEAN4では、指数値112.8、前期比マイナス0.2%低下で、2期ぶりの前期比低下です。ASEAN4での日系海外現地法人の活動は、平成27年Ⅰ期までの1年ほどは緩やかに上昇していましたが、同年Ⅱ期に大きく落ち込み、海外出荷指数のレベルが一段レベルダウンした形になっています。

 また、平成28年Ⅰ期では、主要3地域以外の落ち込みが前期比マイナス2.8%低下と大きく落ち込んでいるのも特徴的かと思います。

 

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 海外出荷の前期比低下に対する地域別の寄与を見ると、中国が2期ぶりにマイナス寄与となりマイナス1.0%ポイントの低下寄与となりました、また主要3地域以外の「それ以外の地域」の低下寄与もマイナス0.8%ポイントと大きくなっています。ASEAN4は前期比低下幅が小幅なので、全体への寄与は「なし」となりました。

 北米は10期連続の前期比プラス寄与であり、平成28年Ⅰ期では0.6%ポイントの上昇寄与となります。プラス寄与幅も、前期の0.2%ポイントから、大きくなりました。

 地域別に海外現地法人の活動をみると、中国における活動が構成比の面でも前期からの変化の面でも弱くなっていす。これが、平成28年Ⅰ期の海外出荷指数の前期比低下に大きな影響を及ぼしています。

 他方、構成比の面でも前期からの変化の面でも北米の存在感が増している状況でした。

 

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◎グローバル出荷指数とは?

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◎ミニ経済分析のページ

グローバル出荷指数(平成22年基準)について(平成28年Ⅰ期(第1四半期))|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

 

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◎ミニ経済分析の一覧表

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