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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

海外生産拠点からの出荷に占める構成比では、輸送機械工業が5割越え。化学工業以外の主要3業種は揃って前期比低下。輸送機械工業の低下寄与が大きかった。

ミニ経済分析 グローバル出荷指数

 平成28年Ⅰ期のグローバル出荷指数は前期比マイナス1.2%低下、そのうち、日本企業の海外生産拠点からの出荷である海外出荷指数も前期比マイナス1.2%低下と3期ぶりの前期比低下となりました。

 この海外出荷指数について、主要4業種、輸送機械工業、電気機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業、化学工業に分けて見ていきたいと思います。なお、電気機械工業は、狭義の電気機械工業に情報通信機械工業、電子部品・デバイス工業を合計したものですので、鉱工業指数などと対比される場合には、ご注意ください。

 

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 海外出荷に占める主要4業種の構成比(原指数ベース)を確認します。

 平成28年Ⅰ期の海外出荷では、輸送機械工業の構成比が50.8%と半分を超えていました。前期に比べると、若干ではありますが、構成比を増やしていました。

 一方、輸送機械工業に次ぐ構成比の電気機械工業の平成28年Ⅰ期の構成比は17.1%で、前期よりも構成比が下がっています。はん用・生産用・業務用機械工業の構成比は6.8%、化学工業の構成比は8.8%と、これらは前期から変動ありませんでした。

 引き続き、輸送機械工業の構成比が、他の業種を圧倒していますが、平成27年Ⅳ期の構成比が49.6%と5割にほんの少し満たない状態でしたが、今回は、初めて5割を超えることになりました。5割越えの最初は、昨年Ⅰ期の50.6%でしたので、今回で2回目となりますし、構成比としては過去最高となりました。

 

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 各業種指数とその前期比を確認すると、輸送機械工業は、指数値(季節調整済)139.0、前期比マイナス3.3%低下と3期ぶりの低下となりました。平成26年Ⅱ期、平成27年Ⅱ期に前期比小幅低下したことなどを除けば、概ね上昇基調にある輸送機械工業の海外出荷ですが、平成28年Ⅰ期は、かなり明瞭に低下となりました。

 

 電気機械工業では、指数値(季節調整済)110.3、前期比マイナス2.3%低下で、2期連続の前期比低下です。平成27年Ⅱ期の114.1からⅢ期の114.2にかけて指数が上昇しているとは言っても、ほぼ横ばいです。グラフをみても、平成27年Ⅰ期をピークに、この1年間、電気機械工業の海外出荷は低下してきていると評価すべきでしょう。

 

 はん用・生産用・業務用機械工業では、指数値115.5、前期比マイナス1.9%低下で、3期ぶりの前期比低下となりした。電気機械工業とは異なり、平成27年Ⅲ期、Ⅳ期と2期連続で上昇しているので、はん用・生産用・業務用機械工業の海外出荷が低下局面に入っていると言い切ることはできません。とはいえ、グラフを見る限り、平成26年Ⅲ期の122.0をピークにして、ゆっくりと指数値がダウン・スロープを降りているように見えることも確かです。

 

 さて、残る化学工業では、指数値130.5、前期比2.9%上昇で、3期連続の前期比上昇と好調な推移となっています。指数レベルも、平成26年Ⅳ期の129.5を超え、過去最高の130台となっています。化学工業の生産能力指数は、平成27年度末で前年度末比マイナス2.7%低下と2年連続低下となっており、日本国内の生産設備を大きく削減し、海外生産にシフトしていると言えるでしょう(鉱工業総供給表では、平成27年の医薬品を除く化学工業の輸入品供給は前年比25.7%上昇、国産品供給は前年比マイナス1.5%低下)。

 

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 海外出荷の前期比低下に対する業種別の寄与を見ると、輸送機械工業の寄与がマイナス1.6%ポイントと、大部分を占めていることが分かります。電気機械工業の寄与はマイナス0.7%ポイントで、輸送機械工業の約半分の影響度合いということになります。

 海外出荷指数の上昇は、輸送機械工業の伸びによる部分が大きかったので、寄与度グラフでみると、平成28年Ⅰ期の輸送機械工業の海外出荷の低下が、指数の低下以上に大きく感じられます。

 化学工業の上昇寄与は0.8%ポイントほどでした。海外出荷に占める構成比がそれ程高くはないので、化学工業の上昇寄与だけでは、なかなか日本企業の海外出荷全体を上に引き上げるまでには行かないようです。

 

 

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◎グローバル出荷指数とは?

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◎ミニ経済分析のページ

グローバル出荷指数(平成22年基準)について(平成28年Ⅰ期(第1四半期))|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

 

◎スライドショー 

 

 


 

◎ミニ経済分析の一覧表

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