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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

5月のサービス活動の動きは、基調的には「一進一退」(判断据え置き)。ただ、4,5月の状況からは、第2四半期で前期比プラスとなる可能性が高いものと見込まれる。

 平成28年5月の第3次産業活動指数は、前月比マイナス0.7%低下と、2か月ぶりに前月比低下となりました。とはいえ、指数値自体は、103.5と今年に入っての比較的高い水準を維持しています。この結果であれば、第2四半期も前期比プラスを維持できる可能性は高いと思います。

 

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 平成28年5月の第3次産業活動指数の業種別の動きをみると、4月の高水準を見せた化粧品類取引など、小売業向けの低下が顕著だった卸売業、測量、地質調査が局所的に低下した事業者向け関連サービスなどの前月比低下寄与が大きくなっています。そのほかでは、生活娯楽関連サービスが全体の低下に対し大きな影響を及ぼしました。

 業種的に、4月上昇、5月低下という低下業種が大部分(そうではない小売業は2か月連続低下)なので、高すぎた4月の水準からの反動減的要素が強いかと言えると思います。

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 また、対個人サービスと対事業所サービスで分けてみると、対事業所サービスが3か月ぶりに前月比マイナス1.6%低下、対個人サービスは前月比横ばいとなりました。前月比マイナス6.8%低下となった投資向けサービスを中心に、確かに対事業所サービスが低下し、5月の第3次産業活動指数総合の低下を生み出しています。

 しかし、対事業所サービスは、14か月連続で前年水準を上回っており、5月の指数値も3月、あるいは今年の第1四半期の水準を上回っています。他方、対個人サービスは、前年同月比も2か月連続マイナスで、5月の指数値は、3月や第1四半期を下回っています。特に、その傾向は、し好的個人向けサービスで強くなっています。

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 これらの系列のトレンド的な動きみるために、それぞれ3か月移動平均の指数の推移をグラフにすると、し好的個人向けサービスだけが、明瞭に下方トレンドになっていることが分かります。4月の段階では「個人サービスの中の懸念要因となっていた『し好的個人向けサービス』に関連する系列には、良い方向に変化しているものが多くなっていました。 5月以降も、投資向けサービスやし好的個人向けサービスの方向感が維持されることを期待したいところです。」としていましたが、投資向けサービスについてはまだしも、し好的個人向けサービスの方向感については、一部内訳の4月上昇は、(GWもあったはずの)5月の方向性を決める動きにはつながりませんでした。

 

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 いずれにせよ、5月の低下は、確かに対事業所サービスの低下によるものではあるのですが、卸売業の内訳のうち、主に5月の低下要因となったのは、小売業向け卸売業で、卸売業低下の背景には小売不振があったことに象徴されるように、5月の第3次産業活動指数の結果からは、個人向けサービス、特に、し好的個人向けサービスの下方への動きを読み取ることができました。

 

 こういった状況を踏まえ、平成28年5月の第3次産業(サービス産業)の基調判断については、「一進一退」のまま据え置きとしたいと思います。

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 4月は企業の投資向けサービスへの発注増によって、第3次産業活動指数は高い水準となり、方向感の変化を期待させる結果となっていました。5月は、結果的に事業所向けサービスの局所的又は反動的な低下によって、指数値を下げましたが、今年の3月や第1四半期並の水準は維持しています。同時に、事業所向けサービスの上へのけん引がないと、個人向けサービスのトレンドとしての弱さが表面に出て来てしまうということを、改めて認識できた月だったとも言えるかと思います。

 

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◎結果概要のページ

www.meti.go.jp

 

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◎「第3次産業活動指数についてネットで分かること」

サービス産業について知りたいあなたへ ~第3次産業活動指数についてネットで分かること~|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

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