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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

6、7月の生産計画では、2か月連続の上昇見込みとなっている。この2か月の製造工業生産の「けん引役」は輸送機械工業。ただし、全体の生産水準は2か月とも前年同月水準に及ばず。

 平成28年6月実施の予測調査の結果では、6月生産見込みの前月比は1.7%上昇が見込まれています。傾向的な予測誤差分を除外する加工をした伸び率を試算した結果では、最も可能性の高い6月の前月比は0.5%上昇という計算結果となっています。

 

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 この6月の報告結果において生産見込みを最も上昇させているのは、輸送機械工業で、前月比4.2%上昇が見込まれています。普通乗用車の生産を増やす勢いが強くなっています。

 それに次ぐのが、情報通信機械工業でした。コンピュータ関連の6月の生産計画が上昇することによるものです。5月の実現率が1割近いマイナスではありますが、6月生産の見込みが1割の増産なので、納期変更がやはり生じているようです。ただ、情報通信機械工業の6月の生産計画値は前年実績を上回っており、5月から向こう3か月ほどは生産に勢いがあるようです。

 

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 7月予測については、2か月先となると不確定要素が大きいので、傾向的な誤差の除去は行っておりません。調査結果そのままで伸び率を計算すると、7月の生産は前月比1.3%上昇となります。

 7月の生産計画の上昇を生み出しているのは、輸送機械工業、電気機械工業、化学工業の3業種です。

 輸送機械工業では普通車(普通トラック、普通乗用車)の7月の生産計画が伸びるようです。

 電気機械工業については、電力設備系の大型機械の受注が入っているようです。5月の電力用資本財の出荷は、前月比マイナス13.8%低下と大きな低下となっていましたので生産・出荷の低下後に受注ものは増加するというのが特性としてありますが、そうなると、6月・7月に電力設備系の大型機械の生産計画が高いというのは、必ずしも電力設備系の受注が非常に好調ということでもないと評価できます。

 化学工業については、定期修理明けで、石油系芳香族やプラスチック原料の生産が増えるようです。

 

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 結局、6月、7月の製造業の生産動向については、輸送機械工業の普通車の生産が本格的に回復することによって、2か月連続の上昇が見込まれています。

 なお、6月の生産結果が予測調査結果そのままであれば、4-6月期、今年の第2四半期は辛うじて前期比0.2%上昇を確保できますが、補正値で計算しますと前期比は微減となってしまい、鉱工業生産が2期連続前期比低下ということになる可能性が出てきています。

 4月の鉱工業生産の水準が比較的高かったので、第2四半期の前期比マイナスの可能性は遠のいたかと思っていました。しかし、5月の生産が「想定外」に低下したことから、6月は上昇見込みとなっていますが、4-6月期の結果については、先行きが怪しくなってきています。

 

 

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◎結果概要のページ

www.meti.go.jp

 

◎鉱工業図表集スライドショー

 

◎データ冊子

 

◎鉱工業指数 しくみと見方-入門スライド