経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

海外子会社の立地場所によって、材料や部品の調達先に違いは生じているのか?;海外現地法人の調達行動を立地地域別に把握する試み

 日本の製造業のグローバル化は進み、全出荷量のうちの3割が海外拠点からのものであり、その出荷先も4割が海外市場となっています。
 同時に、日本からの輸出の5割以上は生産財であり、その行く先の一つである日系製造業の海外現地法人の調達の中にも、日本からの調達が一定の割合で存在しています。
6月17日にミニ経済分析「日系製造業の海外子会社は、どこから部品や材料を調達しており、それはどのように変化してきたのか?;海外現地法人の調達行動の定量的、時系列的把握」を公表し海外現地法人の調達行動の推移を確認し、その特徴を検証しました。

 

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 日系製造業の海外現地法人の部品等の調達においては、現地調達比率が平均的には上昇しています。しかし、調達先のグローバルな分布を見ると、アジア、北米、欧州の相互取引額に違いがあることも事実です。

 そこで、今回は「地域別」という観点から、現地法人の立地場所の違いによって、調達行動に違いが生じているか、確認してみました。その結果、以下のようなことがわかりました。
 日本の製造業は、海外出荷、輸出仕向けでもアジアにシフトしていました。

 ただし、北米(米国)市場向けは、輸出から現地生産にシフトしていました。また、現地法人の売上高、調達額で見てみると、北米と中国が拮抗しており、法人数では平成24年度以降急増した中国が北米を追い越しました。

 さて、アジアの現地法人の調達行動では、「アジア化」が進んでいますが、必ずしも地場企業化が進んでいる訳ではなく、アジアワイドでの調達となっています。ただし、NIESについては、広義の日系調達比率(日本からの輸入と現地の日系企業からの調達)が上昇していました。

 欧米では、広義の日系調達比率が、北米では5割超、欧州では4割を割り込んでいました。他方、北米では地場調達比率が上昇、欧州では地域内比率が上昇しており、欧州では、欧州ワイドの調達へとシフトしていました。
 北米の調達では広義の日系調達が5割超、中国の調達ではアジア調達が5割超で、かつ地場企業調達比率が4割超で、特に高くなっていました。

 

 海外現地法人の調達では、平均的には「アジア化」が進んでいますが、「日系調達の多い北米」、「欧州広域調達の多い欧州」、「地場企業調達の多い中国」といった特色が見られました。

 海外現地法人の地域別の調達行動について、可視化してスライド資料という形でまとめておりますので、スライド資料も是非お目通しいただければと存じます。

 

◎ミニ経済分析

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