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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

レンタカー、カーシェアリングが好調 ; 自動車の利用形態でも「保有」から「レンタル」「カーシェア」への動き

 特定サービス産業動態統計調査によれば、2015年の「自動車レンタル業(個人向け)」の売上高は992億6,100万円と前年比4.9%、契約台数は642万5,183台と同5.6%増加しました。

 第3次産業活動指数(2010年=100)で、2010年以降の「自動車レンタル業(個人向け)」活動指数の動向を見てみると、上昇傾向で推移しており、2015年は107.7となっています(左下グラフ)。
 需要側から、総務省の家計調査(総世帯ベース)で、1世帯あたりの「レンタカー・カーシェアリング料金」の支出額の動向を確認してみると、2014年以降増加しており、2015年は1,537円となっています(右下グラフ)。

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 「自動車レンタル業(個人向け)」は好調に推移し、1世帯あたりの「レンタカー・カーシェアリング料金」は増加しています。この現象とコインの裏表となるのかもしれませんが、都心部を中心に自動車普及率は低下しています。

 5年に1回実施される全国消費実態調査を見てみると、2014年の自動車普及率(2人以上世帯、1000世帯当たり)は84.8%と、5年前と比較して▲0.7%ポイント、10年前と比較して▲1.4%ポイント低下しています。都道府県別では、東京都、大阪府の低下幅が大きく、特に東京都区部では10年前と比較して▲6.4%ポイント低下しています。

 

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 また、一般社団法人自動車工業会の「2015年度 乗用車市場動向調査」の結果を見てみると、今後の自動車の買い替え・保有意向について、「自動車の保有をやめる予定」と回答した率は9%と、2年前の8%から1%ポイント上昇しています。首都圏・中心部(23区)では12%と、2年前の5%から7%ポイント上昇しています(左下グラフ)。

 このように、自動車の普及率が都心部を中心に低下する中で、自動車の保有をやめ、必要な時にのみ利用する方法として、レンタカーに加え、近年は「カーシェアリング」の活用が進んできています。

 国土交通省によれば、レンタカー型カーシェアリング道路運送法第80条第2項の許可を受け、会員制により特定の借受人に対して、自家用自動車を業として貸渡すことをいう。)は、事業者数、車両数、貸渡拠点数とも年々増加傾向にあります(右下グラフ)。
 なお、2014年3月のレンタカー型カーシェアリングの車両数1万2,686台は、自動車レンタル業(個人向けと法人向けの両方を含む)の37万6,036台(平成26年特定サービス実態調査)の3%程度の規模となります。

 

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 レンタカー、カーシェアリングのビジネスは好調に推移していますが、自動車の利用形態が「保有」から「レンタル、シェア」に移っていくことは、日本の自動車産業にどのような影響を持ってくることになるのか、今後の動向が注目されます。

※特定サービス産業動態統計調査の「自動車レンタル業(個人向け)」売上高と第3次産業活動指数の「自動車レンタル業(個人向け)」活動指数に、カーシェアリングの数字は含まれていない。

 

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◎ひと言解説の一覧表

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