経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

4月鉱工業指数まとめ(その3);国内向け出荷が堅調に推移し、輸出向け出荷も前月比プラスを維持(米国、中国向けが上昇)。出荷好調で在庫水準も下がり、在庫調整も進展。

1.出荷(輸出向け、国内向け)

 平成28年4月(確報)の鉱工業出荷は、指数値で96.0、前月比 1.6%上昇(3月確報94.5、1.8%)、前年同月比マイナス3.4%低下でした。出荷が2か月連続で前月比上昇となることも久しぶりですし、その伸 び幅が連続して1%台後半ということで、鉱工業出荷は、この2か月堅調な推移となっています。

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 4月の国内向け出荷は前月比1.0%上昇、輸出向け出荷も前月比0.8%上昇と、ともに2か月連続の上昇です。特に、ウェイトの大きい国内向け出荷が2か月連続して1%以上の前月比上昇を見せ、鉱工業出荷をけん引しています。

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 国内向け出荷の財別分類をみると、家電類の出荷は今一つですが、普通乗用車が伸びた耐久消費財が前月比上昇、それ以上に化粧品類が好調だった非耐久消費財の前月比上昇寄与が大きくなっています。鋼船や軽乗用車の出荷が悪く、輸 送機械工業の出荷がマイナスとなったため、資本財全体の国内向け出荷は前月比マイナスですが、輸送機械を除く資本財の出荷は前月比4.4%上昇と大きく上 昇しており、設備投資需要はあったようです。

 

 また、輸出向け出荷の仕向け先別の動きをみると、米国向け出荷が前月比2.9%上昇(2か月連続)、中国向け出荷が前月比1.0%(2か月連続)となっています。両地域への輸出ともに、化学工業と電子部品・デバイス工業が上昇寄与の大きい業種となっています。

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 なお、輸送機械工業の輸出向け出荷の仕向け先別の寄与をみると、4月は欧州向け、 中国向けが大きい上昇寄与を見せており、米国向けは2か月ぶりの低下寄与となりました。米国向けの輸送機械工業の出荷は2月にも低下していましたが、この 辺りは熊本地震の影響が多少出ているのかもしれません。

 

 4月の鉱工業出荷は、2か月連続で大きめの前月比上昇を見せており、国内向け出荷 をけん引役として、比較的堅調に推移する2か月でした。

 国内向けでは、消費財は前月比上昇、資本財も輸送機械を除くと前月比上昇となっており、設備投資や分野は限られますが個人消費向けの国内出荷が堅調でした。輸出向け出荷についても、米国向け出荷や中国向け出荷にけん引されて前月比上昇となっており、鉱 工業生産や稼働率が好調と言い切れない一方で、鉱工業出荷は堅調に推移していたと言えるかと思います。

 

 

2.在庫、在庫率、在庫循環

 平成28年4月(確報)の在庫は、指数値113.4、前月比マイナス 1.7%低下で、在庫率も、指数値115.7、前月比マイナス2.2%低下と、ともに2か月ぶりに前月比低下となりました。主に、輸送機械工業における普 通乗用車(生産減少、出荷増加、在庫減少)や小型車(生産増加、出荷増加、在庫減少)の在庫の低下によって、鉱工業全体の4月末の在庫は低下しました。

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 生産と在庫の前年同月比で見る「在庫循環図」においても、今年の第1四半 期に一時的に「逆走」し、「(意図せざる)在庫積み上がり局面」に移行しかかりましたが、4月末の段階では、在庫調整局面に状況が「回復」しました。3月 のデータが出た段階では、在庫圧力(と熊本地震)の4月以降の生産に及ぼす影響が懸念されましたが、この懸念は払拭されてきているかと思います。

 リーマンショック後の在庫指数の推移としては、平成26年第2四半期以降に大きく上昇した在庫水準が大きく低下している訳ではありませんが、とりあえず在庫調整は進みつつあるようです。

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◎出荷内訳表・総供給表 結果概要ページ

集計結果又は推計結果|鉱工業出荷内訳表、鉱工業総供給表|経済産業省

 

 

◎鉱工業活動 図表集

 

 

 

◎主要指標のまとめ

 

 

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