経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

日系製造業の海外現地法人の調達行動においては、近年、地理配置、企業国籍の両面で、「第三国化」が進展。日本からの調達は調達全体のほぼ4分の1、現地調達に占める日系企業のからの調達の割合もほぼ3分の1。

 日系製造業の海外子会社が行っている販売先や調達先のグローバルな分布を確認すると、アジア、北米、欧州3地域ともに、域内取引の構成比が高いと同時に、この5年ほどで、アジアとの取引(アジアの海外子会社の場合には、域内取引)の存在感がじわりと増加していました。

 

 そこで、海外現地法人全体の調達先の属性別構成比が、平成13年度からどのように変化してきたのか確認してみたいと思います。

 日本からの調達、現地調達、第三国からの調達の構成比の変化です(「現地調達」は、現地法人の立地している国・地域内での調達ということであり、アジア、北米、欧州といった地域の「域内調達」よりは狭い概念です)。

 

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 平成13年度(2001年度)では、現地調達の割合45%、日本からの調達(輸入額)の割合40%とほぼ同じで、第三国からの調達が15%でした。海外現地法人の活動には、リーマンショックの平成20年度と東日本大震災後の平成24年度に転換点があります。その第一の転換点まえの平成19年度の構成では、現地調達が増え、日本からの調達が減るという動きがゆっくりと進み、その方向感は、第2の転換直前の平成23年度でも同じでした。その時点と平成26年度を比較すると、現地調達の構成は変わらず、日本からの調達に変わって第三国からの調達が増えるという結果になっています。

 海外現地法人の調達先の地理的分布が広がったと言えるでしょう。

 

 次に、その広がりを見せている第三国調達の地域別の構成比の変化を見てみます。

 

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 そもそもアジアに立地する海外現地法人の数が多いので、第三国調達においてもアジアからの調達の構成比が高くなっています。ASEANワイド、NIESと中国の東アジアワイドの分業体制が出来ていることの証左でしょう。ただ、アジアからの第三国調達が、時間とともに増加しているかというと、そうでもなく、平成23年度と第2転換点後の平成26年度との比較では、その構成比がほとんど変化していません。欧米の現地法人のアジアからの調達(これは第三国調達)が増えているのですが、アジア内では、立地国内での調達の割合が増えていくという方向性を示唆しているのかもしれません。

 

 さらに、2時点比較にはなりますが、現地調達先の企業の属性の変化を見てみます。

 

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 大まかな構造としては、地場企業からの現地調達が6割、日系企業からの調達がほぼ3分の1という構成比です。

 これを平成23年度と平成26年度で比較すると、意外なことに、現地調達における地場企業の比率は若干ですが低下しています。そして、構成比が4%から8%に増加していたのが「その他の企業」からの調達でした。「その他の企業」とは、その立地場所からみた日系以外の外資系企業ということであり、企業の「国籍」という意味で「第三国の企業」ということになります。

 

 総じて見ると、日系製造業の海外現地法人の調達行動の基本は「現地調達」で、調達全体の過半を占めており、日本からの調達は、今世紀の初めには4割ほどでしたが、平成26年度には4分の1程の構成比に低下しています。ここ近年(第2の転換点後)の調達先の変化においては、現地調達というよりは、第三国からの調達が増えています。さらに、現地調達においても、地場企業でも日系企業でもない第三国の外資系企業からの調達がじわりと増えており、海外現地法人の調達先の多様化が見られます(地理配置、企業国籍の両面での「第三国化」)。

 

 以上4回に渡って、日系製造業の海外現地法人の調達行動を概観してきましたが、近いうちに、立地地域や業種によって、調達行動に差異があるのかどうかを確認し、御紹介していきたいと思っていますので、是非御期待ください。

 

 

 

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◎ミニ経済分析のページ

日系製造業の海外子会社は、どこから部品や材料を調達しており、それはどのように変化してきたのか?;海外現地法人の調達行動の定量的、時系列的把握|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

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第45回海外事業活動基本調査結果概要-平成26(2014)年度実績-|海外事業活動基本調査|経済産業省

 

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