経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成28年4月の主要月次指標のまとめ資料-4月の第3次産業活動指数が前月比で1.4%と大きく上昇し、ほぼ8年ぶりの高水準に。鉱工業生産は熊本地震の影響もあり小幅上昇にとどまったが、資本財(輸送機械を除く)や消費財を中心に国内向け出荷は伸びていた。

 主要な月次経済指標である鉱工業指数、小売販売額、第3次産業活動指数の平成28年4月分の結果を整理した資料です。

 

 4月は、投資向けのサービスが揃って前月比で上昇し、第3次産業活動指数を大きく引き上げました。鉱工業生産は、熊本地震の影響で普通乗用車の減産が行われたことの影響もあり、小幅な前月比上昇に留まっています(このため稼働率は前月比マイナス)。しかし、国内向け出荷をみると、輸送機械を除く資本財や消費財を中心に前月比1.0%上昇と2か月連続の上昇となっています。家電類は今ひとつですが、乗用車(普通と小型)や化粧品類の出荷が堅調でした。

 

 そこで今回の資料では、あらためて小売業の動向を確認するとともに、昨今の国内小売業の議論をする際には避けて通れない、インバウンド消費のデータを整理しています。

 

 まず、平成28年4月の各指標の基調判断については、鉱工業生産は「一進一退」で、小売販売額は「弱含み傾向」と据え置きになっていますが、第3次産業活動指数については「一進一退」のみと「一部に弱さがみられる」が削除され、上方修正となっています。

 対事業所サービスや観光関連、飲食関連の個人向けサービスの系列も前月比上昇となっており、第3次産業活動指数の水準も高くなっています。小売販売額では燃料小売業の価格低下、鉱工業生産では橋りょう等の3月からの反動減、普通乗用車の減産と指数が伸び悩んだ原因がはっきりしており、悪材料一辺倒ということでもない結果となっています。

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 さて、国内に消費活動向けサービスの代表である小売業の活動指数の推移をみると、まだ平成26年のの消費税率引上げ前の水準を下回る形で推移しています。

 

 消費税率引上げ前の平成24、25年平均を100として、⼩売業活動指数の推移を業種別に⾒てみると、「機械器具⼩売業」を始め多くの業種が消費税率引上げ前の⽔準を下回る形または同程度の⽔準で推移しています。 その⼀⽅、「医薬品・化粧品⼩売業」は消費税率引上げ前の⽔準を上回る形で推移しています。

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 なかなか、国内の小売業の活動レベルが順風満帆とは言えない状況のもと、全体に占める構成比は小さいとは言え、無視できない動きとなっているのは、いわゆるインバウンド消費です。

 ⼩売業販売額に占める訪⽇外国⼈消費額(買物代)の⽐率は上昇傾向で推移しており、平成27年は1.03%と試算されます。4年前である平成23年の比率が0.2%にも満たなかった状態から比較すれば、雲泥の差をいっても語弊はないと思います。
 こういったインバウンドの影響が更に顕著なのは、 外国⼈宿泊者数の増加を⼀要因として上昇傾向で推移sしている宿泊業活動指数です。平成23年から指数レベルは、2割増し(18.7%上昇)となっています。
  国内旅⾏がほぼ横ばい、海外旅⾏活動指数が徐々に低下ということで、日本人の旅行代理サービス利用が伸び悩む⼀⽅、外⼈旅⾏活動指数(国内旅行代理店の外国人から依頼に基づく旅行代理サービスの取扱高)は⼤きく上昇していることが分かります。しかしながら、外⼈旅⾏活動指数の勢いが、平成28年に⼊って、やや弱まっていることが気になります。

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◎スライド資料(ダウンロード)

 

 

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