経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

4月は、生産能力指数も前月比低下、稼働率指数も前月比低下。化学工業は久方ぶりに生産能力が前月比で増加。稼働率では、輸送機械工業の稼働率低下が大きく響いた。

 平成28年4月の製造工業生産能力指数は94.6で、前月比マイナス0.2%低下、前年同月比マイナス0.8%低下となりました。この生産能力指数の値94.6は、平成22年の平均水準を100とした現行基準指数では、(3月に引き続き)最低値となります。この現行基準で最低値の生産能力指数94.6は、ほぼ30年前の水準です。

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 生産能力指数の前年同月比をみると、昨年8月から今年の4月まで、9か月連続で前年同月比マイナスという状態が続いています。昨年4月に55か月ぶりに前年同月比プラスに変化したものの、結局4か月しか続かず、再び生産能力が前年水準を下回りつづける状態となっています。

 

 平成28年4月の生産能力は2か月連続して前月比低下ですが、全14業種のうち、低下業種が6業種で、上昇業種が3業種、他の5業種が横ばい業種でした。年度明けの最初月のため、かなり多くの業種、品目において、生産体制の見直しが図られたようで、動きのある月でした。

 特に、生産能力が低下している業種は、鉄鋼業、電子部品・デバイス工業、石油・石炭製品工業でした。

 他方、同じ素材系でも化学工業では、ここ数年の構造改善に向けた設備除却のゴールが見えてきているようです。今年の4月は、前月比0.2%上昇と久方ぶりの生産能力前月比上昇となりました。大規模な設備増強とは行きませんが、複数の品目で「見直し」によって生産能力上昇となっていたのが、目立ちました。

 

 4月の生産能力指数を機械工業と非機械工業(製造工業 除.機械工業)に分けてみると、機械工業の生産能力は前月比マイナス0.1%低下、前年同月比はマイナス0.4%低下で、ここ4か月は前年水準を下回る状態が続いています。非機械工業の生産能力の前月比はマイナス0.4%低下、前年同月比はマイナス1.5%低下となりました。

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 素材型工業を中心とする非機械工業では、引き続き構造的な設備過剰の解消のために計画的に設備廃棄が続いており、非機械工業の生産能力指数は、4月までで91か月連続、つまり7年半以上に渡って、前年水準を下回り続けています。前月比についても、平成26年3月以降、プラスとなったことがありません。

 機械工業においても、生産能力が前年を下回る状態が常態化しつつあるようです。

 

 

 平成28年4月の製造工業稼働率指数は96.5で、前月比マイナス1.0%低下となりました。

 稼働率指数を機械工業と非機械工業とでみると、機械工業の稼働率は前月比マイナス2.3%低下、前年同月比もマイナス7.5%低下となり、これで16か月連続の前年同月比低下ということになります。熊本地震の影響で、普通乗用車が減産となりましたが、その影響が大きく現れた格好になりました。

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 他方、非機械工業の稼働率は、前月比0.3%上昇と2か月連続の上昇となりました。構造改善を進める一方で、比較的安定的な稼働状態が続いていましたが、その中でも4月は、生産能力の低下していた鉄鋼業や石油・石炭製品工業の稼働率が前月比で上昇していました。

 とはいえ、稼働率指数の場合には、鉱工業生産指数に比べて、その作成方法上の理由で、輸送機械工業の影響度合いが強めにでるようになっているため、4月は輸送機械工業の影響で、鉱工業生産は前月比上昇する一方で、稼働率指数は前月比低下となりました。

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 この稼働率と生産能力の関係を描いた散布図を見てみると、平成27年第1四半期から第2四半期にかけて稼働率が大きく低下(左方向)したのち、生産能力・稼働率ともに、小幅ずつ左下方に低下しています。

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 この循環図(散布図)でみたときに、ここ10年ほどの期間で、生産能力指数が本格的に上昇したのは、平成17年第1四半期から平成20年第1四半期の期間でした。生産能力指数が上昇局面に転換した平成17年第1四半期の稼働率指数は110前後でした。平成28年第1四半期の稼働率指数は97.3に留まり、平成28年第1四半期は、過去の生産能力増強への転換局面からは、かなり差のある状態という評価になります。

 

 

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