経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

スポーツ関連産業の動向と相撲人気の行方

 いよいよ8月のリオ五輪まで3か月を切りました。選手の健闘する姿を応援するのも楽しみですし、その活躍ぶりに憧れて自分もスポーツを始める方もいらっしゃるでしょう。
 ところで、第3次産業活動指数では、スポーツに関連する産業に関するデータを編集したスポーツ産業活動指数を作成しています。

 このスポーツ産業活動指数の平成27年の指数値は103.9、前年比2.5%上昇と大きく上昇しており、スポーツ関連産業が活発であることが分かります(サービス全体では、前年比0.9%上昇)。
 さてスポーツ産業活動指数では、スポーツを自らプレイ「するスポーツ(スポーツ施設提供業)」と、プロの試合を「観るスポーツ(プロスポーツ)」という、2種類のスポーツ関連産業の指数系列を作成しています。これをグラフ化して動向を比較してみました。

 

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 「するスポーツ」では震災や景気の変動はあまり見えず、総じて横ばいか低下傾向です。そんな中でフィットネスクラブが上昇しているのは、景気の好不調などの外的要因よりも、健康に対する意識の高まりがあるのかもしれませんね。経済解析室が平成26年に行った産業活動分析でも、「フィットネスクラブは娯楽業という位置付けから、「健康産業」として、医療,福祉に近い存在になっているとも言えるのではないか」と分析しています。

 
 一方、「観るスポーツ」では業種によって動きに大きな差があります。観客動員数が圧倒的に多いプロ野球は、他のスポーツに比べて安定して推移しています。

 他方で、相撲は平成23年以降に落ち込んだ後、若手力士の活躍などで人気が復活して大幅に上昇しています。近年、若い女性の相撲人気が高まっていることなども、ここに表れているのでしょう。

 

 

 次は、この「相撲」に焦点を当てて、さらに長期の動きを見てみましょう。

 

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 「相撲」の時系列をグラフ化すると、最初に指数が作成された平成5年から5年間は指数値が150程度の高いレベルで推移していたことがわかります。この頃は「若貴ブーム」と呼ばれた時代で、貴乃花若乃花の若き兄弟力士が人気を博していました。

 その後は指数値が低下し、八百長問題という不祥事と東日本大震災が重なった平成23年を底にして再び上昇基調となっていることが見て取れます。また、平成10年頃から始まった低下傾向は、この兄弟力士が相次いで横綱に昇進した時期と一致します。もちろんこれだけが低下要因というわけではないでしょうが、相撲ファンの心情としては、若い力士の成長ぶりを応援するところが醍醐味だったのでしょうか。

 ここ数年、遠藤や逸ノ城など若く個性的な力士が登場し、また、稀勢の里琴奨菊ら久しぶりの日本人横綱誕生の期待がかかるなど、相撲人気は高まりを見せており、「相撲女子」という言葉が生まれる程女性ファンも増えているようです。

 このため平成27年の指数値は129.2にまでなり、かつての「若貴ブーム」に沸いた頃のレベルにはまだ及んでいないものの、そのレベルに戻ることを期待できるレベルに戻ってきています。


 これが一時的なブームなのか、それとも「人気力士が昇進しても、また新たに若い力士達が台頭」という力強い活動サイクルにつながっていくのか、今後の展開が注目されるところです。

 

<参考>産業活動分析(平成26年10~12月期(年間回顧))トピックス
「シニア層の健康志向の高まり、そして地域別人口に影響されているフィットネスクラブ ~初めての経済センサス-活動調査結果も踏まえて~」

http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/bunseki/pdf/h26/h4a1502j1.pdf

 

 

◎ひと言解説の一覧表

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