経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

鉱工業生産の先行きでは、5月は、地震の影響が多少残る輸送機械工業の生産減で横ばい、6月は、輸送機械工業の回復はあるものの微増という調査結果。

 平成28年5月実施の予測調査の結果ですが、5月生産見込みの前月比は2.2%上昇が見込まれています。傾向的な予測誤差分を除外する加工をした伸び率を試算した結果では、最も可能性の高い5月の前月比は0.0%の横ばいという計算結果となっています。

 可能性が一定以上認められる範囲での最小の伸び率がマイナス1.0%低下、最大の伸び率が1.0%上昇です。ほんの少しの環境の変化で、前月比プラスにもマイナスにもなるという結果ですが、いずれにせよ大きな前月比上昇や低下の可能性は低いということかと思います。

 なお、今回の予測調査においては、結果的に被災により調査票を回答できないとされたのは1件のみでありましたの、熊本地震の影響が織り込まれた結果ということになります。

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 この5月の報告結果において生産見込みを最も上昇させているのは、「はん用・生産用・業務用機械工業」で、その次が情報通信機械工業です。

 それぞれ、4月の実現率が大きくマイナスとなっていましたので、納期の延期がおきているようです。納期延期については、「はん用・生産用・業務用機械工業」では、年度当初にどうしても実現率の低下が生じがちですので、仕方がないのかも知れません。
また、一部の品目については、熊本地震で工場が被災した影響で4月分の生産が低下し、そこから5月に回復する見込み分もあるようです。

 地震の影響や燃費不正データといった問題を抱える輸送機械工業については、5月見込みの前月比がマイナス1.5%の低下です。4月の生産では、地震の影響で普通乗用車が2月に続いて減産となり、5月まで後を引く結果となっています。

 さらに、軽乗用車については、燃費不正データ問題で生産が見合わせとなっている企業の影響が如実に出てしまっています。

 

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 5月の生産見込みの増加については、見込みからの下方修正が大きくなりがちな2業種である「はん用・生産用・業務用機械工業」と情報通信機械工業の上昇見込みに依存している一方、見込みからのずれが小さい輸送機械工業では低下見込みとなっていることから、やはり、補正値に近い結果になるのではないかと思います。

 6月予測については、2か月先となると不確定要素が大きいので、傾向的な誤差の除去は行っておりません。調査結果そのままで伸び率を計算すると、6月の生産は前月比0.3%上昇となります。

 6月の生産計画の小幅な上昇を生み出しているのは、ひとえに輸送機械工業(特に、普通乗用車)です。普通乗用車に対する地震の影響は、多少名残はありつつも、6月にはだいぶ払拭されるようです。この輸送機械工業の伸びを、5月からの「はん用・生産用・業務用機械工業」及び電子部品・デバイス工業の生産計画の低下が相殺しているという形になります。

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 結局、5月、6月の製造業の生産動向については、5月については「はん用・生産用・業務用機械工業」や情報通信機械工業の納期後ろ倒し分(被災からの回復)などによる生産増が、輸送機械工業の生産低下を補ってくれていれば、多少のプラスということになります。しかしながら、この2業種は計画が下方修正されることの多い業種であることからして、補正結果の横ばい程度になる可能性も高いと思います。

 6月については、輸送機械工業が普通乗用車を中心に生産を回復するという調査結果となっていまして、5月、6月と輸送機械工業の生産計画の水準は、前年同月実績を上回る状態になっています。6月の輸送機械工業の生産計画には、多少勢いが戻ってくるといえるかもしれません。
 ただ、輸送機械工業以外の業種については、6月生産計画が、既に前月比マイナスあるいは上昇するにしても微増となる業種が多く、6月以降の増産の勢いに業種的な広がりが見えてこないという状況です。

 

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