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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

3月の第3次産業活動指数のうち、対個人サービスは前月比マイナス1.3%低下。勢いのなかった財の面での個人消費だけではなくて、娯楽関係や飲食関係のサービス面の個人消費も芳しくないということが明瞭になってきたようです。

対事業所サービス 個人サービス 消費不振 第3次産業活動指数

 第3次産業全体を対個人と対事業所に分けて集計したものをみてみます。

 平成28年3月は、対事業所サービスが前月比0.3%上昇と2か月ぶりの上昇に転じました。他方、対個人サービスは前月比マイナス1.3%低下と3か月ぶりに前月比低下となりました。

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 昨年の11月、12月はともに前月比低下、今年1月はともに前月比上昇と、対個人と対事業所の両サービスが平行的に動いていましたが、2月、3月前月比の方向が両サービスで異なっています。

 昨年10月までの第3次活動指数の基調的動きについては、「横ばい傾向」や「持ち直しの動き」という評価で、月々の動きも滑らかな動きを見せていました。しかし、昨年11月は「一進一退」、そして昨年12月に「一進一退ながら一部に弱さがみられる」という基調判断に変更しているように、指数の上下動が目立つようになっています。

 こういった動きは、対事業所サービス、対個人サービスでも同様ですが、その上下動が、今年の2月、3月の対事業所と対個人のサービスでは、異なる動きを見せています。

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 さらに、前年同月比をみると、対個人サービスと対事業所サービスの動きの違いが明瞭になってきています。実は、対事業所サービスは、昨年4月に前年同月比でプラスに転じてから、この3月まで12か月連続で前年水準を上回っています。逆に、対個人サービスは、今年の2月は前年水準を上回っていますが、昨年12月以降4か月のうち3か月は前年水準を下回っています。

 この対個人サービスの前年同月比マイナスによって、第3次産業活動指数も12か月ぶりに前年同月比がマイナス0.1%低下ということになりました。

 このように、3月の結果をみると、昨年末から今年に入って対個人サービスの水準が悪くなってきていることが明瞭になってきたように思われます。

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 では、対個人サービスのどこが悪くなってきているのでしょうか?

 対個人サービスについては、生活必需的性格の強い「非選択的個人向けサービス」と、選択の余地があり所得環境や天候などの影響で上下動しやすい、いわば四囲の状況変化に敏感に反応する「し好的個人向けサービス」に分けた集計値を公表しています。

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 この2つの系列は、対象的な動きとなっています。

 というのも、非選択的個人向けサービスの平成27年度の各四半期の動きでは、結局この1年間4期連続で前期比上昇ないし横ばいでしたが、同じ期間、し好的個人サービスは4期連続で前期比マイナスとなっていました。

 前年水準との比較でも、非選択的個人向けサービスは、昨年中から今年にかけて、四半期でも月次でも前年水準を下回ることはありませんでした。これは、非選択的個人向けサービスの中で大きなウェイトを持っている「医療,福祉」サービスの活動量が増加しているからです(ちなみに、この「医療,福祉」が大きなウェイトを占める再編集系列「高齢者世帯特化サービス」も、前年水準を上回って推移しています)。

 他方、し好的個人向けサービスは、平成28年3月も前月比マイナス1.2%低下でしたし、平成28年第1四半期の前期比もマイナス0.2%低下でした。また、前年水準との比較でも、2四半期連続で前年同期比マイナスですし、月次でも今年の2月はプラスではありますが、昨年11月、12月、今年1月、そして3月と前年同月水準を下回っています。

 

 3月のし好的個人向けサービスの指数を引き下げているのは、プロスポーツのほか、自動車小売業、飲食サービス業、マンション分譲業といった系列でした。

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 関連する業種の指数の推移を見てみると、生活娯楽関連サービスは、月々の変動もさることながら、昨年11月から5か月連続で前年同月比低下が続いており、四半期の前期比でみても4四半期連続で前期比低下となっています。小売業でも、今年の第1四半期は前期比マイナスとなり、前年同月比でも昨年11月から前年割れが続いています。

 また、飲食関連産業指数や自動車関連産業指数、さらにマンション分譲業を含む建設関連産業指数も基調的には前年水準を下回って推移している状態です。

 

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 個人サービスのうち、し好的個人向けサービスの指数値は、平成27年の最低値である昨年12月の指数値100.4を下回る100.0に落ち込んでおり、この故に、対個人サービス全体の指数値も最低値である昨年12月の104.4を下回ってしまいました。

 このように平成27年度末の3月の第3次産業活動指数の結果からすると、勢いのなかった財の面での個人消費だけではなくて、娯楽関係や飲食関係のサービス面の個人消費も芳しくないということが明瞭になってきたようです。

 

 

 

 

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◎結果概要のページ

www.meti.go.jp

 

◎図表集スライドショー 

 

 

 

◎「第3次産業活動指数についてネットで分かること」

サービス産業について知りたいあなたへ ~第3次産業活動指数についてネットで分かること~|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

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