経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

今年3月のサービス産業活動(第3次産業活動指数)は、3か月ぶりに前月比マイナス0.7%低下。3次指数としては大きめの低下幅。「金融業、保険業」や卸売業などが、主たる低下業種だった。

 平成28年3月の第3次産業活動指数総合は,季節調整済指数103.0、前月比マイナス0.7%低下と3か月ぶりの前月比低下となりました。昨年の11月、12月に2か月連続で前月比低下となった後、今年の1月、2月は2か月連続の前月比上昇となりましたが、この上昇は続きませんでした。

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 この3月の指数値は103.0だった訳ですが、前年同月比が昨年の3月以来12か月ぶりにマイナス0.1%低下となってしまいました。平成27年一年間の季節調整済指数の推移を見てみると、最も低い指数値となったのは、12月の102.8、次いで昨年1月が103.0で、今年の3月の指数水準は、昨年1年間の中でも最低水準に近いものとなっており、水準的にもあまり良い状態とは言えないようです。

 

 この3月の結果を踏まえると、今年の第1四半期、1-3月期の第3次産業活動指数は103.4、前期比0.1%上昇と辛うじて前期比上昇を確保しました。

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 第3次産業活動指数と鉱工業生産指数を加重平均して、全産業の90%以上をカバーする「統合指数」を計算することができます。この統合指数の今年第1四半期は、鉱工業生産の前期比低下が響き、前期比マイナス0.1%低下となっています。これで、昨年の第2四半期から4期連続で前期比低下と、足元で弱い動きが続いています。

 

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 さて、平成28年3月の第3次産業活動指数では、11大分類業種のうち、低下業種が5業種、上昇業種が6業種となっています。

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 低下寄与5業種のうち、寄与が大きいのが、「金融業,保険業」で、その半分程度の寄与となって卸売業、情報通信業が低下寄与の大きかった業種として続きます。さらに、その半分程度の低下寄与を見せた不動産業が続くという格好になります。
 「金融業,保険業」は、1月、2月と高い水準にあったこと、3月の流通業務(株式取引)の低下が影響して低下したようです。 
 卸売業では、電気機械器具卸売業や産業機械器具卸売業等の機械器具卸売業が大きく低下していました。3月の耐久消費財、特に、家事用、テレビ等の教養娯楽用の耐久消費財の出荷が前月比低下となっています。
また、情報通信業については、ソフトウェア業、特に受注ソフトウェアが大きく低下しており、官公庁や金融機関からの発注が一巡していたようです。
不動産業については、価格の高止まりでマンション売買の契約率が低下し、首都圏のマンション分譲業の指数がワースト1位に落ち込んだ結果です。
 他方、3月の上昇業種をみると、先月2月に低下していた事業者向け関連サービスが、技術サービス業を中心に3月上昇しているほか、同じく2月には低下寄与が大きかった小売業が燃料小売業などを中心に戻しています。
 業種別の動きでは、低下寄与の大きい業種、上昇寄与の大きい業種ともに、前月比の方向が2月から反転している業種ばかりです。各業種とも、月々の動きに安定感がなく、上がると下がるという動きになっています。

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 第3次産業総合から卸売業と小売業を除外した系列の前月比はマイナス1.0%低下と、第3次産業総合と同様に、3か月ぶりの前月比低下となりました。商業関係を含んだサービス活動に比べ、いわば純粋サービスを提供する産業活動の方が3月の前月比低下幅が大きくなっています。

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 昨年のこの系列の指数値を見ると、平成28年3月の指数値105.2と同じ値を昨年9月と12月に見せていました。消費増税による落ち込みも相対的に小さく、そこから平成27年度前半まで回復基調にありましたが、それ以降、上昇低下を繰り返す推移になっています。

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 消費増税の影響は、当然ながら財の取引を仲介するサービスに顕著に表れ、財の取引仲介型サービスの指数レベルは、いまだ消費増税前の水準を下回っています。この影響を純粋サービスの提供活動が回復することで、そのマイナスの影響を中和していた訳ですが、昨年後半からは「上がっては下がる」の動きになっており、商業関係の水準の低さを補う力が弱くなっているようで気になるところです。

 

 

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