経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成28年3月の主要月次指標のまとめ資料-3月の鉱工業生産は輸送機械工業の生産上昇によって前月比プラスだが、その回復度合いは2月の落ち込み比べると今一つ。サービス産業も3か月ぶりの前月比低下

 主要な月次経済指標である鉱工業指数、小売販売額、第3次産業活動指数の平成28年3月分の結果を整理した資料です。

 

 3月は、工場操業停止が解除された輸送機械工業において、特に普通乗用車の生産が回復したことにより、鉱工業生産が2か月ぶりに前月比上昇となりました。しかし、その上昇幅は速報時3.6%に留まり、今年2月の前月比マイナス5.2%低下に比較すると、物足りません。また、3月の第3次産業活動指数は、3か月ぶりに前月比マイナス0.7%低下となりました。その内訳では、対事業所サービスは2か月ぶりに前月比上昇でしたが、対個人サービスが前月比マイナス1.3%低下となり、全体を押し下げています。

 

そこで、今回は、平成28年第1四半期の状況を、鉱工業生産指数と第3次産業活動指数を加重平均した「統合指数」で確認してみました。また、4月に発生した平成28年熊本地震が日本の産業活動に及ぼす影響はまだ統計数値として確認できる段階ではありませんが、東日本大震災の前後で、全産業活動指数がどのような推移を見せたかを確認してみたいと思います。

 

 

 まず、平成28年3月の各指標の基調判断については、鉱工業生産は「一進一退」で、小売販売額は「弱含み傾向」で、そして第3次産業活動指数についても「一進一退ながら一部に弱さがみられる」と据え置きとなりました。

 各産業とも芳しくない結果となっています。特に、2月には他の業種の落ち込みをカバーしていた第3次産業活動指数において、対個人サービスが前月比で低下しており、この影響もあって、第3次産業活動指数は、12か月ぶりに前年水準をした回ることとなりました。

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 さて、鉱工業生産、第3次産業活動、建設業活動を加重平均した全産業活動指数の昨年末までの動きを確認してみると、全産業活動指数は、リーマン・ショックによる落ち込み後、回復傾向で推移しているものの、まだその水準はリーマン・ショックの発生前の水準には戻りきれていません。
 

 そして、全産業活動の約94%を占める「鉱工業及び第3次産業の統合指数」は、平成28年第1四半期は前期比マイナス0.1%と4期連続で低下しており、足もとで弱い動きが続いています。その内訳を確認してみると、平成28年第2四半期では、「医療,福祉」、「事業者向け関連サービス」、「運輸業,郵便業」などが上昇はしましたが、「小売業」、「輸送機械工業」、「電子部品・デバイス工業」などが低下したため、鉱工業生産と第3次産業全体では前期比マイナス0.1%の低下となっていました。

 鉱工業生産は、昨年第4四半期には3四半期ぶりに前期比上昇となったのですが、特殊要因もあって、今年の第1四半期ではその勢いは続きませんでした。かつ、第3次産業活動も、対個人サービスを中心に振るわず、鉱工業生産の落ち込みをカバーすることができていません。

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 また、4月以降の産業活動を見ていく上では、4月に発生した平成28年熊本地震が、日本の産業活動にどう影響するかに注目せざるを得ません。しかし、まだその影響度合いを実績として統計的に把握出来る段階ではありません。
 そこで、改めて東日本大震災の前後で、全産業活動指数がどのように推移したのかを確認してみました。

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 東日本大震災発生(平成23年3⽉)前後の全産業活動指数の推移をみてみると、平成23年第1,2四半期と、「鉱工業生産」を中心に低下していたことがみてとれます。
 全産業活動指数が最も落ち込んだ平成23年第2四半期は、業種別にみると、鉱工業生産では「輸送機械工業」、「電子部品・デバイス工業」など、第3次産業活動では「卸売業」などが大きく低下したことにより、全体が低下していたようです。


 平成28年熊本地震の前後で、つまり、平成28年第1四半期と第2四半期に、どのような産業の活動にどういった影響が出てくるのか、慎重に見ていきたいと思います。
 まずは、5月31日公表の平成28年4月の鉱工業指数速報からとなります。

 

 

 

◎スライド資料(ダウンロード)

 

 

※各統計へは、こちらのページから。

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◎全産業活動指数 結果概要のページ
(3月分の全産業活動指数は、5月23日公表となります)

www.meti.go.jp

 

◎全産業活動指数チラシ