経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

2月は外食サービスやゴルフ場等の娯楽関係といった生活をエンジョイするための対個人サービスが上昇。鉱工業生産の低下などにより、対事業所サービスは、前月比マイナス1.3%低下。

 第3次産業全体を対個人と対事業所に分けて集計したものをみると、今年の2月は、対事業所サービスが前月比▲1.3%低下、対個人サービスが前月比0.3%上昇となりました。

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 対事業所サービスは、2か月ぶりの低下とはいえ、昨年の11月、12月も2か月連続の低下でしたので、今年の1月を挟んで、再びの前月比低下となります。この2月の低下幅も大きく、1月の前月比上昇分が剥落してしまいました。昨年12月の低下幅も大きかったことから、2月の指数値101.4はかなり低いものとなっています。

 この指数値は、昨年12月と同じ値なのですが、この値は、昨年1年間の下から3番目、昨年1月と3月の101.3に次ぐ低い値であり、昨年1年間からみて相当低いレベルであしたが、その水準と今年の2月の対事業所サービスの指数とは同じとなります。平成27年平均の指数が101.7なので、それよりも低く、特に昨年の第3四半期の101.9、第4四半期の102.1からすると、大分見劣りのするレベルです。

 一方、対個人サービスは、指数値105.1、前月比0.3%の上昇となり、2か月連続の上昇です。昨年末の11月、12月と連続で前月比低下となり、今年の1月でも前年同月比マイナスとなっていたので、対個人サービスの勢いが悪くなっていくことが懸念されました。しかし、幸いにも2月には、前月比が2か月連続で上昇し、前年同月比も3か月ぶりに上昇に転じました。

 対個人サービスは、必需的性格の強い「非選択的個人向けサービス」と景気変動との連動性が強い「し好的個人向けサービス」に分けられますが、2月では、非選択的個人向けサービスが前月比0.0%と横ばいとなった一方、し好的個人向けサービスが前月比0.7%上昇と、こちらは2か月連続の前月比上昇となっています。2月は、し好的個人向けサービスが、対個人サービスを押し上げていたことになります。

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 いずれにせよ、2月の第3次産業活動指数総合は前月比低下ですので、対事業所サービスの低下によって大きな方向性が生み出されていたことになります。

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 2月の対事業所サービスを前月比で押し下げていたのは、金融決済業務の一部である「全銀システム取扱高」で企業間の資金決済が少なかったようです。

 また、電気機械器具卸売業を筆頭に機械器具卸売業の前月比も▲2.7%低下と大きく低下しています。2月の資本財総供給は前月比マイナスで、特に輸送機械を除く資本財の総供給は前月比▲6.8%低下と大きく低下しました。さらに、商社を中心とする各種商品卸売業も前月比▲3.4%低下となっていますが、2月の輸出向け出荷が前月比▲5.6%低下していると同時に、鉱業資源の2月の輸入品供給指数も前月比▲6.4%低下となっていました。
 2月の鉱工業生産指数は前月比▲5.2%低下、鉱工業出荷も前月比▲4.1%低下と鉱工業活動が大きく低下していたので、企業間の取引需要が低下していたものと思われます。

 これらに加えて、店頭でのセールスプロ-モーションやイベント企画といった広告である「他に分類されない広告」が、対事業所サービスの2月の活動を押し下げていました。

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 2月の対個人サービスうち、特に、2月の上昇のけん引役となった「し好的個人向けサービス」を押し上げていたのは、ゴルフ場と「食堂,レストラン,専門店」や飲食サービス業を含む「飲食店,飲食サービス業」です。生活エンジョイのためのサービス活動が好調だったことになります。
 ゴルフ場を含む娯楽業の指数は2か月ぶりに前月比上昇、「飲食店,飲食サービス業」は4か月ぶりの前月比上昇、同じく4か月ぶりに前年同月比でも上昇となりました。
 1月のし好的個人向けサービスは、自動車小売業や機械器具小売業といった耐久消費財関連の小売業が良かったため前月比上昇でしたが、2月は打って変わって、外食や娯楽関連のサービスが好調でした。

 し好的個人向けサービスは、昨年の前半は指数値で102台でしたが、8月以降101台に、そして11月からは100台へと順次指数のレベルが落ちてきていました。しかし、2月は指数値101.2と昨年の10月以来4か月ぶりに101台を回復し、下げ止まりから、上昇への局面転換も期待できる推移となっています。

 

 さて、対個人サービスから小売業を除いた指数は前月比1.2%上昇と、大きく上昇しています。個人向けのサービスでは、モノよりサービスが良かったようです。
 逆に、対事業所サービスから卸売業を除いた指数は前月比▲0.6%低下となり、対事業所サービス全体の前月比低下幅▲1.3%低下より、かなり低下幅が縮小します。
 つまり、対個人、対事業所ともに、2月は商業関係が足を引っ張っており、かつ鉱工業活動の停滞や輸出の低下等の影響もあって、事業者向け関連サービスが前月比で大きく低下したため、対事業所サービスが全体を大きく押し下げました。他方、小売業が悪かったものの、生活をエンジョイする個人向けサービスは堅調に推移し、対個人サービスが全体を押し上げるという結果になっているようです。

 

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