経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

2月の第3次産業活動指数は前月比マイナス0.1%と、横ばいには近いものの、2か月ぶりに前月比低下。業種的には、事業者向け関連サービスと小売業が不調。

 平成28年2月の第3次産業活動指数総合は,季節調整済指数103.4、前月比▲0.1%低下と2か月ぶりの前月比低下となりました。昨年の11月、12月も前月比低下ですので、この4か月間の第3次産業活動指数は、軟調な推移となっています。

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 昨年、平成27年の指数水準が103.2、そして同年12月の指数値102.8が平成27年の中で最も低い指数であったことからすると、今年2月の第3次産業活動指数の指数水準自体が低いということではありません。前年同月比は、プラス2.3%上昇なので、前年同月水準をかなり上回ってはいます。

 なお、平成27年第4四半期の第3次産業総合の指数値は、103.3でした。よって、3月の季節調整済指数が103.2(前月比▲0.2%低下)を上回れば、第3次産業活動指数の今年の第1半期は前期比横ばいないしプラスとなります。3月が、大きめの前月比低下にならない限り、第3次産業活動総合では2四半期連続の前期比マイナスは避けられそうです。

 鉱工業生産指数は、相当高い確率で、第1四半期に前期比マイナスになりそうですので、今年の第1四半期は日本の産業活動をサービス産業が支えてくれていたことになりそうです。

 

 平成28年2月の第3次産業活動指数では、11大分類業種のうち、低下業種が4業種、上昇業種が7業種と、全体は前月比マイナスでしたが、業種数では、上昇業種の方が多くなっています。

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 低下寄与4業種のうち、寄与が大きいのが、事業者向け関連サービスと小売業で、「電気・ガス・熱供給・水道業」と「医療,福祉」の2業種の寄与は、それぞれ上位2業種の半分以下となっています。今年の2月は、ほぼ同じ程度の低下寄与となった事業者向け関連サービスと小売業の低下によって、全体が低下していたことになります。

 事業者向け関連サービスは、前月比▲3.8%低下となりました。今年1月の前月比がプラスの2.9%上昇と大きめの上昇を示していました。事業者向け関連サービスを低下させたのは、広告業で、その中でも「他に分類されない広告」(総合前月比▲0.1%に対し、寄与▲0.06%ポイント)でした。この「他に分類されない広告」とは、店頭でのセールスプロ-モーションやイベント企画といった広告で、ウェイト的にはテレビ広告と同じ規模の業種です。この業種は、1月には、オリンピック関連の受注などで大きく伸びていましたが、その反動で2月は大きく低下しました。

 小売業については前月比▲2.5%低下と2か月ぶりの前月比低下で、(ホームセンターなどが中心となる)「その他の小売業」を除く、内訳6系列が全て前月比マイナスとなりました。気温高の影響を受けた燃料小売業と普通車の減産の影響を受けた自動車小売業の低下の影響が大きくなっています。百貨店(や総合スーパー)である各種商品小売業や織物・衣服・身の回り品小売業、飲食料品小売業(この3系列で小売業のウェイトのほぼ半分)では2か月連続の前月比低下であり、1月は上昇していた機械器具小売業も、寄与は小さいですが、前月比低下となっており、良いところがありません。

 また、電力・ガス・熱供給・水道業も、2月が平年よりも気温が高かったこともあり、暖房需要の減により前月比▲3.8%低下となりました。燃料小売業の低下とあわせて、天候要因での低下となっています。

 

 他方、上昇業種については、堅調に推移している建築材料卸売業や医薬品・化粧品等卸売業の上昇によって反転上昇となった卸売業、金融商品取引業が好調で2か月連続前月比上昇の「金融業,保険業」といった業種の上昇寄与が大きくなっています。

 

 2月は卸売業と小売業で明暗が分かれましたが、第3次産業活動総合から卸売業と小売業を除外した系列の前月比は0.1%上昇で2か月連続の前月比上昇となっています。卸小売を含んだ全体の前月比が▲0.1%低下ですので、商業関係は不調で、サービスそのものが目的となるサービス産業は比較的堅調だったようで、その傾向が年明け2か月続いています。

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 卸小売業を含む系列と含まない系列の指数のグラフを比較すると、大局的に見れば同じような動きをしていますが、前者が1月上昇、2月低下の後者が2か月連続の上昇ということで、多少勢い、方向感に差があるようです。一昨年4月の消費増税後に、一段と大きくなった両指数のかい離は、なかなか埋まらず、卸小売商業関係の相対的な水準の低さが顕著です。

 特に、ここに来て、卸売業が前年同月比でプラスが続いている一方で、小売業の前年同月比マイナスが4か月連続となっており、商業の中でも小売業の不調が目に付くのが、気になるところです。

 

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