経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成28年2月の主要月次経済指標のまとめ資料-2月の鉱工業生産は輸送機械工や電子部品・デバイス工業の生産低下によって大きく前月比マイナスだが、3月、4月は回復見込み(九州の大地震の影響は含まず)。しかし、輸送機械工業の海外現地法人の先行き見通しは悪化傾向。

 主要な月次経済指標である鉱工業指数、小売販売額、第3次産業活動指数の平成28年2月分の結果を整理した資料です。

 2月は、輸送機械工業における工場操業停止の影響や東アジアの旧正月となった事による電子部品・デバイス工業の輸出の低下により、鉱工業生産の前月比が大きく低下となりました。そこで、今回の資料では、輸送機械工業の海外とのやり取りや海外現地法人の活動について確認してみました。

 まず、各指標の基調判断については、鉱工業生産は「一進一退」で据え置き、小売販売額については「弱含み傾向」と下方修正され、第3次産業活動指数については「一進一退ながら一部に弱さがみられる」と据え置きとなりました。
 各産業とも芳しくない結果となっています。特に、小売販売が4か月連続の前月比低下となっており、基調が少し悪くなっていました。鉱工業生産については、2月の低下の理由がはっきりしており、3月、4月予測みは大きな回復が見込まれましたので、基調判断は変更されませんでした。ただし、4月半ばの大地震の影響で、4月以降の生産がどうなるのか気になります。
 第3次産業活動については、小売や事業者向けサービスが低調でしたが、外食や娯楽関連の業種が伸びており、対個人サービスは堅調に推移しており、これらの低下業種の落ち込みをカバーできました。

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 さて、2月の鉱工業生産では、輸送機械工業、特に普通乗用車と自動車部品関連が大きく生産を落としました。
 輸送機械工業の2月の出荷も前月比マイナス3.3%低下で、内訳では国内向け出荷も低下方向に寄与していますが、輸出向け出荷も前月比マイナスとなっていました。
輸出向け出荷が指数は前月比マイナス4.4%低下となっており、特に北米向け出荷の低下の影響が大きくなっています。この2月の北米向け出荷低下の影響が、3月のアメリカ市場において、日本車の一部が目立って低下するという形で表れているようです。

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 輸送機械工業は、生産拠点の面でも、販売市場の面でもグローバル化の進んでいる産業ですが、そこで輸送機械工業の海外現地法人の活動について確認してみます。
 国内拠点からの出荷と海外拠点からの出荷を合計した「グローバル出荷指数」で見ると、輸送機械工業の国内出荷は長期的に横ばい又は若干の低下傾向ではありますが、海外拠点のからの出荷、つまり海外現地法人の出荷は、平成27年第4四半期まで順調に層か傾向を見せていました。

 地域別でみると、特に北米地域の現地法人の活動レベルが高い状態が続いていますが、実は、平成27年第4四半期の延びという面では、中国地域の現地法人からの出荷は最も大きく伸びていました。

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 しかし、輸送機械工業に属する海外現地法人の先行き見通しは全体的に悪化傾向にあり、特に中国地域の現地法人の景況感が、この2年で大きく悪化しています。

さらに、上のグラフは、傾向を見るために後方4期移動平均をしてグラフにしていますので、中国の平成28年第2四半期の見込みだけを見ると、売上げについては、前期よりも低下するとしている割合が上昇するとしている割合を6.7%上回っています。つまり、半分以上の現地法人は、平成28年第2四半期の売上げは落ちると予測していることになります。

 同様に設備投資については、第2四半期に減るとしている割合が3.4%上回っており、従業員数について減るとして割合が0.5%上割っています。

 北米地域の現地法人では、売上げも授業員数は第2四半期に増加するとしている現地法人の方が多くなっており、中国と対照的な結果となっています。

 

 輸送機械工業については、グローバル化が進んでいることから、海外生産や外需の動向も重要ですし、4月の大きな地震の国内サプライチェーンへの影響が、2月のような大幅減産を生み出してしまうのか、今後の動向を注視する必要があると思います。

 

◎グローバル出荷指数

グローバル出荷指数(平成22年基準)について(平成27年Ⅳ期(第4四半期))|その他の研究・分析レポート|経済産業省

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◎海外現地法人四半期調査

平成27年10~12月期 調査(実績・DI)|海外現地法人四半期調査|経済産業省

 

 

 ◎スライド資料(ダウンロード)

 

※各統計へは、こちらのページから。

お役立ちミニ経済解説(by.経済解析室)|その他の研究・分析レポート|経済産業省

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