経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

(経済解析室メルマガ)平成28年2月の稼働率は機械工業を中心に前月比大幅な低下、生産能力は前月比上昇も前年同月比は7か月連続で低下

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 平成28年2月の製造工業稼働率指数は94.5で、前月比▲5.4%低下と2か月ぶりの前月比低下となりました。2月の鉱工業生産指数が前月比で▲5.2%低下と大きく低下しましたので、生産の低下、すなわち稼働率の低下ということになっています。

 

 稼働率指数を機械工業と非機械工業に分けてみると、機械工業の稼働率は前 月比▲7.3%低下と製造工業全体の稼働率よりも大きく低下しています。一方で、非機械工業の稼働率も前月比▲2.1%低下ではありますが、製造工業全体 の稼働率低下に比べると小幅な低下となっており、2月は機械工業の稼働状況が大きく悪くなっていることになります。

 機械工業の稼働率は前年同月比も▲4.8%低下となり、前年同月比低下もこれで14か月連続となります。昨年の同時期の稼働率指数が100を超えていたのに比べ、相当見劣りすると言わざるを得ません。

 

 2月の生産能力指数は94.9で、前月比0.1%上昇、前年同月比 ▲0.7%低下となりました。昨年8月から今年の2月まで7か月連続で前年同月比マイナスが続いており、そのマイナス幅も今年に入って拡大しています。設 備能力の増強などがない限り、生産能力指数が前年水準を下回る状態が当面続きそうな様相です。

 2月の生産能力指数の前月比は上昇しておりますが、上昇は全14業種のう ち、電気機械工業と情報通信機械工業の2業種のみで、低下は5業種、横ばいは7業種となりました。電気機械工業と情報通信機械工業の上昇については、設備 を増加させるということでの生産能力増加ではありますが、品目も限られており、この2業種に大きな能力上昇の動きが生じているとは言い難いようです。2月 に生産能力を低下させている化学工業や繊維工業では設備廃棄も多く、製造工業全体の生産能力という意味では、4か月ぶりの前月比上昇ではありますが、高い 評価は難しいと思います。

 

 2月の生産能力指数を機械工業と非機械工業に分けて見ると、機械工業は前 月比0.1%上昇、前年同月比は▲0.4%低下、非機械工業は前月比▲0.1%低下、前年同月比も▲1.3%低下となりました。

 素材型業種を中心とする非 機械工業では、引き続き構造的な設備過剰の解消のために計画的な設備廃棄が続いており、2月までで89か月連続、つまり7年以上に渡って前年水準を下回り 続けています。前月比についても平成26年3月以降、プラスとなったことがありません。

 一方、機械工業については、一部の品目で設備増強という報告もあ り、前月比で生産能力を増加させました。しかし、非機械工業の生産能力の落ち込みをカバー仕切るほどの力強さはありませんし、はん用・生産用・業務用や電 子部品・デバイス工業では生産能力が低下しており、機械工業の中でも能力増強の動きに業種的な広がりが欠けている状態でした。

 このように、設備増強によって平成28年2月の生産能力は前月比上昇とはなりましたが、前年同月比が7か月連続で低下しているということの方が、今月の国内製造工業の設備キャパシティーの実態を的確に表現しているものと思います。

 

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