経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成28年2月の生産能力指数は前月比上昇。とはいえ、業種的な広がりに欠け、前年同月比は7か月連続低下となっています。

 平成28年2月の生産能力指数は94.9で、前月比0.1%上昇、前年同月比▲0.7%低下となりました。

 

 改めて、ここ2年ほどの生産能力指数の推移をみてみると、一昨年後半に下げ止まりの動きをみせ、昨年初めまでその動きが続きました。昨年4月には、55か月ぶりに前年同月比でプラスとなり、生産能力を増強する局面に入るかと思われました。

 しかし、その後、生産能力指数が前月比で低下を見せる月が多くなり、4月以降で前月比プラスとなったのは、5月と10月だけでした。今回の公表分から、平成27年分のデータをより正確なものに更新(年間補正)していますが、この年間補正後のデータでみると、早くも昨年8月には生産能力指数が前年同月を下回る状態に後戻りしていました。

 生産能力指数が前年水準を上回る状態は、昨年4月から7月までの4か月間に留まり、昨年8月から今年の2月まで7か月連続で前年同月比マイナスが続いています。前年同月比マイナス幅も今年に入って拡大しています。

 昨年の前半7月までは、生産能力指数は95台を上回っており、今年1月、2月の指数値が95を割り込んでいることから、設備能力の増強などがないと、生産能力指数が前年水準を下回る状態が当面続きそうな様相です。

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 平成28年2月の生産能力の前月比は上昇しておりますが、上昇業種は全14業種のうち、電気機械工業と情報通信機械工業の2業種でした。他方、低下業種5業種、横ばい業種7業種となっていました。

 電気機械工業と情報通信機械工業の上昇については、設備を増加させるということでの生産能力増加ではありますが、品目も限られており、この2業種に大きな能力上昇の動きが生じているとは言い難いようです。2月に生産能力を低下させている化学工業や繊維工業では、設備廃棄も多く、製造工業全体の生産能力という意味では、4か月ぶりの前月比上昇ではあるのですが、高い評価は難しいと思います。

 

 2月の生産能力指数を機械工業と非機械工業に分けて見ると、機械工業の生産能力は前月比0.1%上昇、前年同月比は▲0.4%低下、非機械工業の生産能力は前月比▲0.1%低下、前年同月比も▲1.3%低下となりました。

 

 素材型工業を中心とする非機械工業では、引き続き構造的な設備過剰の解消のために計画的に設備廃棄が続いており、非機械工業の生産能力指数は、2月までで89か月連続、つまり7年以上に渡って、前年水準を下回り続けています。前月比についても、平成26年3月以降、プラスとなったことがありません。

 機械工業においては、1月もそうでしたが、一部の品目で需要が出て来ていることに合わせて設備増強という報告もあり、前月比で生産能力を増加させました。

 しかし、非機械工業の能力をカバー仕切るほどの力強さはありません。2月の「はん用・生産用・業務用機械工業」や電子部品・デバイス工業では生産能力が低下しており、機械工業の中でも生産能力増強の動きに、業種的な広がりに欠けている状態でした。

 

 2月の輸送機械を除く資本財の総供給指数は、前月比▲6.8%低下と大きく低下しています。輸入品は前月比8.4%上昇でしたが、そもそもウェイトが国産品の6分の1程度と少ななく、国産品供給の前月比▲9.1%低下を補えるような存在ではありません。

 設備増強によって平成28年2月の生産能力は前月比上昇ではありますが、前年同月比が7か月連続で低下しているということの方が、2月の国内製造工業の設備キャパシティーの実態を的確に表現しているものと思います。

 

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◎「生産能力・稼働率って何ですか?」