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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

東アジア向けの生産財の出荷が非常に悪く、平成28年2月の輸出向け出荷は前月比▲5.6%低下。中国向けの生産財出荷は、低い水準が続いている。

 平成28年2月の出荷内訳表の輸出向け出荷の仕向け先別の結果を見てみます。

 2月の輸出向け出荷前月比▲5.6%低下に対して、東アジア向けが4.79%ポイント、特に中国向けが▲2.91%ポイントの低下寄与となっています。

 

 いわゆる旧正月の影響で、アジア各所で工場等が休暇に入りましたので、アジア向けの輸出が滞ったのは致し方ないと思います。いずれにせよ、2月の輸出向け出荷については、中国向け出荷の低下の影響が非常に大きくなっていました。
 他方、米国向け出荷も前月比▲3.9%低下、欧州向けも前月比▲2.3%低下と振るわず、主要地域別に輸出向け出荷を見ると、好調だった仕向け先はなく、全体的に2月は低調だったことになります。

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 2月の輸出向け出荷では、最終需要財もさることながら、生産財の出荷低下の影響で、輸出向け出荷が低下していました。そこで、その生産財の仕向け先別の指数を確認してみます。
 2月の生産財の輸出向け出荷の前月比▲5.8%低下に対して、最も大きな低下寄与を見せたのは、中国向け出荷でした。その寄与の程度は、▲5.27%ポイントになります。

 実は、主要地域別では、生産財の出荷が低下しているのは、東アジア向け(中国、台湾、韓国)のみであり、その他の地域向けの生産財出荷は前月比で低下していません。

 特に中国向けの低下が著しく、2月の季節調整済指数は79.5となっています。生産財の中国向け出荷の指数値が80を割り込むのは、非常に久方ぶりのことで、2009年3月まで遡ることになります。2009年3月頃といえば、リーマンショック後の世界的な景気低迷の影響で日本の鉱工業生産活動等が最低水準に落ち込んでいた時期であり、中国向けの出荷は、その頃の水準に落ち込んでいることになります。

 生産財の輸出向け出荷自体の指数値は2月94.4ということで、基準年である2010年平均の水準を下回っているのですが、米国向けの指数値は142.0、欧州向けも105.4、ASEAN向けでも100.9と、基準年の水準を上回っています。
 翻って、中国を含む東アジア向けの2月の生産財の出荷指数は80.5と、基準年からみて2割ほども低下しており、台湾向け出荷指数73.4、韓国向け出荷指数88.4と、ともに基準年を下回っています。

 旧正月休暇の影響が集中的に出てくる地域であるとはいえ、東アジア向けの生産財出荷指数の1月の値も他の地域が100を上回っているにもかかわらず、93.4となっており、指数値の低調さが目を引きます。
 実は、東アジア向けの生産財出荷指数が、2010年平均の水準を上回るのは、旧正月前の電子部品・デバイス工業の駆け込み出荷で急増した2015年1月を除くと、2011年2月、つまり東日本大震災の前まで遡ることになります。
 この期間、生産財の生産拠点が、日本から東アジアに移転していったことも確かではありますが、日本からの東アジア向けの生産財出荷の動きをみると、「世界の組立工場」という東アジアの位置づけが多少変わってきているのかとも思える結果となっています。

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◎結果概要のページ

集計結果又は推計結果|鉱工業出荷内訳表、鉱工業総供給表|経済産業省

 

◎図表集

 

◎データ冊子

 

◎解説スライド