経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成27年第4四半期の出荷海外比率でみた供給面、海外市場比率でみた需要面ともに、輸送機械工業のグローバル化が、他の業種に比べて一頭地飛び抜けていることが分かる。

 グローバル出荷指数とは、日本国内の製造業生産拠点と日本企業の海外現地法人(海外製造拠点)からの出荷(販売)数量を統一的に把握出来るように作成した指数です。現在は、平成22年平均を100とした指数の形で、四半期ごとに作成しています。

 今回は、平成27年、2015年第4四半期(10-12月期)の指標をとりまとめることができたので、その結果について順次、御紹介していきたいと思います。

 

 日系製造業の国内/海外拠点両方の活況度合いを指標化したグローバル出荷指数から計算できる各種の出荷海外比率、海外市場比率、逆輸入比率を業種別に見てみます。

 

 まず、「出荷海外比率」です。出荷海外比率とは、日系製造業の世界全体の出荷のうち、海外拠点から出荷されたものの比率のことです。いわば生産、出荷元側からみた海外比率ということになります。

 業種別でみると、平成27年第4四半期で出荷海外比率の最も高い業種は輸送機械工業(48.8%)で、この位置づけには基本的に変化はありません。それに次ぐのが、電気機械工業(広義の電気機械工業で、鉱工業指数の業種分類の電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業、電気機械工業の合計)の31.9%です。

 4割に近い輸送機械工業と3分の1までは行かない電気機械工業ということになりますが、製造業全体の出荷海外比率を超えているのは、この2業種です。それ以外の業種の出荷海外比率は3割を超えていません。

 輸送機械工業の出荷海外比率のグラフは、着実に右肩上がりの推移となっていますが、それ以外の業種は、平成26年から平成27年にかけては横ばいや緩やかな低下の方向で推移しているようです。

 

 次に「海外市場比率」です。海外市場比率とは、国内出荷における輸出向け出荷と、海外出荷における自国(海外現地法人の所在国市場向け)向け出荷と第3国(所在国と日本以外の国)向け出荷の合計が、グローバル出荷に占める割合のことです。いわば、日系製造業が海外市場の需要に依存している割合ということになります。

 業種別でみると、平成27年第4四半期で海外市場比率の最も高い業種は輸送機械工業(60.3%)で、この位置づけには基本的に変化はありません。それに次ぐのが、電気機械工業の40.6%です。製造業全体の海外市場比率が41.2%であり、2位の電気機械工業でもこの値を下回っています。

 要すれば、海外市場への依存度が6割に近い輸送機械工業と4割以下のそれ以外の製造業にはっきりと分かれていることになります。

 

 最後に「逆輸入比率」です。逆輸入比率とは、日本市場に供給される輸入品のうち、日本製造業の海外現地法人が日本向けに出荷したものが占める比率のことです。

 業種別でみると、平成27年第4四半期で逆輸入比率の最も高い業種は輸送機械工業(63.7%)で、この位置づけには大きな変化はありません。それに次ぐのが、電気機械工業の49.0%、第3位がはん用・生産用・業務用機械工業の32.4%です。製造業全体の海外市場比率が25.0%であり、この3業種が製造業平均の逆輸入比率を上回っています。

 ただ、高い逆輸入比率をみせている3業種でも、その逆輸入比率の推移には、違いがあります。

 日本への輸入品供給の6割強が海外現地法人からの出荷である輸送機械工業、四半期ごとに変化はあるものの4~5割の水準で推移している電気機械工業、そして過去には5割が逆輸入であった時期もあるのですが、足元では3分の1にまでその比率を低下させているはん用・生産用・業務用機械工業と、三者三様の動きとなっており、興味深いところです。

 

 いずれにせよ、平成27年第4四半期のこれら3つの比率をみても、出荷海外比率でみた供給面、海外市場比率でみた需要面ともに、輸送機械工業のグローバル化が、他の業種に比べて一頭地飛び抜けていることが分かります。

 

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◎スライド資料

 

 

◎ミニ経済分析の一覧表

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