経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成27年第4四半期の海外現地法人の活動においては、日本向け出荷が前年水準をした回り、これで2四半期連続。日本市場向け出荷において、国内回帰が垣間見られている。

 グローバル出荷指数とは、日本国内の製造業生産拠点と日本企業の海外現地法人(海外製造拠点)からの出荷(販売)数量を統一的に把握出来るように作成した指数です。現在は、平成22年平均を100とした指数の形で、四半期ごとに作成しています。

 今回は、平成27年、2015年第4四半期(10-12月期)の指標をとりまとめることができたので、その結果について順次、御紹介していきたいと思います。

 

 日本製造業の日本国内/海外拠点からの出荷を合計したグローバル出荷指数の前年水準との比較(前年同期比)との比較を説明します。

 平成27年第4四半期のグローバル出荷指数の前年同期比はプラス0.2%上昇となっており、10期連続で前年同期比プラスが続いています。とはいえ、その前年同期比上昇幅は0.2%に留まり、前年に比べてあまり水準が上昇しているとは言えません。

 内訳をみると、海外出荷指数は、前年同期比2.9%上昇と16期連続で前年同期比プラスでした。一方、国内出荷指数は、前年同期比マイナス0.8%低下となり、これで6期連続の低下が続いていることになります(これは、国内のうち、輸出向け出荷が前年同期比マイナス4.3%低下となったことによる)。

 

 ただ、増税前の駆け込み需要による出荷増要因が剥落した平成26年第2四半期を除くと、前年同期比は7%程度の上昇幅であったこの2年ほど(それ以前は、もっと上昇幅が大きい)の動きからすると、第3四半期の前年同期比4.4%上昇、そして第4四半期の前年同期比2.9%上昇は、前年水準からの伸びとしては、多少もの足り無いかも知れません。

 国内・海外出荷のグローバル出荷全体への寄与をみると、海外出荷がプラス寄与、国内出荷がマイナス寄与という基調には変わりありませんが、海外出荷のプラス寄与幅が小さくなってきていること(他方で、国内出荷のマイナス寄与が小さくなっている)ことも事実です。

 

 

 そこで、海外出荷の仕向け先別内訳の変化を見てみます。

 海外出荷指数のうち、自国向け出荷(現地法人が立地している国・地域市場への出荷)は前年同期比プラス4.8%上昇と、海外出荷全体の上昇率に比べて高い伸び率を見せています。他方、海外生産の日本向け出荷は前年同期比マイナス3.5%低下と大きく低下しています。第三国向け出荷は前年同期比0.1%上昇とほぼ横ばいといえるでしょう。

 要すれば、海外現地法人の「輸出」、つまり、立地国・地域以外への出荷は前年水準を下回っているということです。特に、第三国向け出荷があまり変化していない一方で、日本向けの出荷の前年水準からの低下が大きく、これが海外出荷全体の前年比を押し下げている要因ということになります。

 

  平成26年度の指数水準と比べると、日本向け(平成26年度125.1→平成27年第4四半期126.2)、第3国向け(平成26年度131.2→平成27年第4四半期133.9)の指数がそれほど伸びていない一方で、自国向けでは、平成26年度125.6から平成27年第4四半期134.7と大きく伸びています。

 日系製造業の海外展開は、日本や第三国マーケットをターゲットにして開始され、現地法人の立地市場向けにシフトしてきていると言われますが、目下のグローバル出荷の推移を見ると、「海外の仕向け先市場で生産する」という色合いが更に強くなってきているのかも知れません。

 第3四半期のデータの段階では、日本向けの海外出荷指数の前年同期比マイナスを「珍しい」現象だと評価していました。しかし、日本向け出荷の前年同期比の低下が、2四半期連続となり、他方で、国内向けの国内出荷指数が前年同期比プラスとなったことを踏まえると、多少、「国内回帰」の動きがデータから伺えると言っても良いかと思います。

 

 

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