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経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

パターンとして抽出できる計画と実績のズレを補正すると、生産予測調査の結果は、鉱工業生産の実績を予見できているという結果が得られている。

 経済解析室では、毎月、その月と翌月の生産計画を製造業企業にお伺いして、その数量を指数化した製造工業予測指数を毎月公表しています。
この計画値と実績値には、相当程度の誤差があり、それを「実現率」として、指数の毎月の公表とあわせて提供しています。

 今回の分析では、予測指数が、実績をどの程度予見しているのかを確認するため、この「実現率」を分析の対象として、時系列分析をしています。 

keizaikaisekiroom.hatenablog.com

 

 実下率の推移をみると、企業の生産改革には、4月には計画(当月見込み)に対しては実績が上に振れ、9月には計画に対して実績が大きく下に振れるといった季節的なパターンや、計画に対して実績が傾向的に下振れするといった特徴があることが分かります。

 

 この時系列で特徴的な変化を見せている「実現率」の変動パターンを抽出してみようと思います。
 予測指数を含む鉱工業指数では、季節変動パターンを除去するために季節調整を施しています。この季節調整を施すための計算では、時系列データが有している変動をいくつかの「成分」に分解して、季節変動を表す成分だけを抽出します。
 季節調整を施す計算(プログラム)では、変動成分を「趨勢循環変動成分」(傾向的・循環的なパターン)、「季節変動+曜日変動成分」(季節的なパターン)、不規則変動(想定外の事象)に分けています。
 今回の「実現率」の分析では、趨勢循環変動成分と季節変動+曜日変動成分に着目し、計画と実績のずれ、かい離に「パターン化された成分」として抽出しようと思います。

 

  季節調整プログラムを用いて、生産予測指数自体ではなく、実現率の変動を成分分解すると、その変動の大部分は「パターン化された成分」であったことが分かります。
 つまり、実現率については、この「パターン化された成分」を除去してしまうとほとんど変動せず0になるということです。実現率が0%となるということは、計画と実績のかい離が無くなるということです。

 

 さて、実現率の変動が、あらかじめ計算して除去することのできる「パターン化された成分」であるということは、この変動成分を除去することにより、より正確に計画値から実績値を推し量ることができる可能性が高いということが判明したということです。
 そこで、「パターン化された成分」を補正して実現率(パターン補正済実現率)を計算し、その分布を確認してみました。
 すると、計画と実績のかい離がランダムだった場合の分布と比べて、高い頻度で実現率がゼロとなる状態、つまり計画と実績が一致するケースが集中することが確認できました。つまり、「パターン化された成分」を補正すれば、補正済みの計画値は実績値をかなり高い確度で予見できていたことが確認できました。

 

 このパターン補正済みの実現率を用いて、その月の鉱工業指数の見込み前月比を試算するこころみを、今年の3月の2月分速報の公表時から開始しています。
 1月の製造工業予測調査を用いた試算結果を見てみると、報告値そのままで計算した1月の見込み値は前月比7.6%上昇でしたが、実績は3.7%上昇でしたので、かなりのズレがありました。しかし、補正済みの試算値では、前月比4.1%上昇と計算されており、相当実績に近づいています。
 2月調査分についても、報告値そのままの見込み値がマイナス5.2%低下で、実績がマイナス6.2%低下でしたが、補正済み試算知では、前月比マイナス6.4%低下でしたので、やはり報告値そのままよりも、補正済み試算値の方がかなり実績に近づいていたことがご理解いただけるかと思います。

 

 2016年4月初旬の段階で、3月分の生産予測調査の結果で、3月分の生産の前月比を計算できますが、報告値そのままの見込み値では前月比3.9%上昇で、補正済み試算値では前月比3.5%上昇という計算になっています。
 3月は余り計画と実績のかい離が生じない月のようですが、4月28日には結果がでますので、是非、結果をご覧いただければと思います。

 

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◎ミニ経済分析のページ

企業の生産計画は実績をどれくらい予見できているか ー製造工業生産予測指数の上方バイアスを補正する試みー|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

◎スライド資料 

 

◎ミニ経済分析の一覧表

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