経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

3月、4月の生産予測は、2か月連続の上昇を見込んでいる。この計画通りの生産となれば、2月の落ち込み分が解消される可能性がある。

 今年3月の予測調査(3月と4月の生産計画を3月上旬時点で調査)の結果ですが、3月生産見込みの前月比は3.9%上昇が見込まれています。

 傾向的な予測誤差分を除外する加工をした伸び率を試算した結果では、最も可能性の高い3月の前月比は3.5%の上昇となるものと計算されます。可能性が一定以上認められる範囲での最小の伸び率が2.4%上昇、最大の伸び率が4.5%上昇であり、いずれにせよ3月は前月比上昇が見込まれます。

 ただ、2月の生産▲6.2%の前月比低下からすると、その上昇幅は力強さに欠けると言わざるを得ません。

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http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/rev_forecast.pdf

 

 

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 3月生産見込みでは、上昇5業種、低下6業種ですが、この上昇に最も寄与しているのは、やはり輸送機械工業です。これは、自動車の計画減産分が、解消することによるものです。

 ただし、3月の生産見込みは、2月時点の見込み値からは低下しており、2月の減産分の挽回が万全ではないようです。それでも3月の生産計画は、昨年3月の実績に比べると3.8%上昇となっているので、需要期に向けた生産はしっかり計画されているようです。

 

 次に3月の前月比を引き上げているのが、「はん用・生産用・業務用機械工業」です。実現率(2月調査時点の2月計画値と2月の生産実績とのかい離率)がマイナスということで、多少、2月出荷予定分が、3月に先送りになっている分もあるようですし、2月の生産低下品目の生産が増加するようです。

 3番目に上昇寄与が大きかったのは、情報通信機械工業ですが、2月実績の実現率も▲13.9%と、見込みと実績のかい離が非常に大きくなっており、2月の情報通信機械工業の生産見込みは前月比19.4%上昇だったものの、実際の生産(IIP本体)は前月比▲0.9%低下となっています。3月上昇分の多くは2月からの先送り分と思われ、結局は、3月の生産も精々1桁の前半以下の伸びに留まるものと思われます。

 

 4月予測については、2か月先となると不確定要素が大きいので、傾向的な誤差の除去は行っておりません。調査結果そのままで伸び率を計算すると、4月の生産は前月比5.3%上昇となります。
 4月では、9業種が生産上昇計画、2業種が生産低下計画となっており、広汎な業種で生産増計画となっています。

 

 このうち、4月の生産計画を最も上昇させているのは、3月に続いて輸送機械工業です。輸送機械工業の4月の生産計画は、昨年4月の生産実績を2か月連続で上回る計画となっています。4月の計画値は、90台前半から100前後を推移していた、ここ1年ほどの予測調査ベースの実績指数からすると、106.9とかなり高い水準となります。輸送機械工業の生産計画はあまりぶれませんので、4月の生産水準は比較的高めが維持されるものと思われます。

 

 次に上昇寄与が大きいのは、「はん用・生産用・業務用機械工業」です。この業種では、受注型製品が多いので、ある月に生産・出荷がなされると、翌月や翌々月は生産が低下するのが常です。

 しかし、3月調査では、3、4月と生産増計画になっています。今回の調査で、前回調査から多少3月見込みが下方修正されているとは言え、3月の生産増見込みが維持されており、その元で翌月4月の生産をさらに増加する計画ということで、それなりに受注が入ってきているようです。

 ちなみに、4月の生産計画は、昨年同月の生産実績を4%上回るものとなっており、昨年の「はん用・生産用・業務用機械工業」の稼働率の高かったころの水準に、計画としては戻ることになります。

 

 3番目に上昇寄与が大きい電子部品・デバイス工業ですが、多少生産計画は戻ってきているとはいえ、その水準は昨年1年間で最もレベルの低い年末の水準近くに辛うじて戻るに留まります。4月の生産計画を昨年4月の実績と比較すると1割近く低い水準となっており、春節前の駆け込みで今年の1月に生産が増加しましたが、その後2~4月までの生産の戻りは芳しくないと言わざるを得ないと思います。

 昨年の電子部品・デバイス工業では、2月に生産が落ち込みましたが、3、4月と2か月連続で前月比上昇となりました。今年の生産計画では、3月は前月比マイナスで、4月の前月比は12%を超えるものとはなっていますが、前提となる2,3月の生産水準が低いことから、4月の計画の伸びの評価については、多少割り引く必要があります。

 

 3月見込みの補正値を前提とし、かつ4月計画分が過去の平均的な下方修正程度に低下するとした場合には、4月の生産水準は1月の生産水準に近いレベルには戻ることが見込まれるので、先行きを期待したいところです。

 

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◎結果概要ページ

www.meti.go.jp

 

◎図表集

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/b2010_201602refsj.pdf

 

◎データ冊子

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2010_201602sj.pdf

 

◎鉱工業指数のしくみと見方(解説スライド) 

 
◎お役立ちページ

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