経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

2月の鉱工業生産は前月比マイナス6.2%低下、この低下幅は東日本大震災以来の落ち込み幅。指数水準も「景気の谷」のレベルに低下。

 平成28年2月の「生産」は,季節調整済指数93.6,前月比▲6.2%低下と2か月ぶりの前月比低下となりました。

 2月予測調査結果の補正結果では、3月の前月比は▲6.4%を中心とする値になる計算でしたが、結局そのとおりとなりました。

 

 1月の前月比がプラスの3.7%であったことに比較して、2月の前月比は▲6.2%低下と低下幅がかなり大きくなっています。鉱工業生産が、単月でこれほどの低下を見せるのは、東日本大震災以来のことであり、さらに遡ってもリーマンショックの頃まで遡る必要があります。
 指数値93.6も低い水準であり、昨年1年間で最も指数値が低かったのは12月の96.2ですが、それよりも大分低い値となっています。この指数値がいつ以来かというと平成24年11月の93.4以来の低い値となります。平成24年11月というのは、景気基準日付では、第15景気循環の終わりの「谷」ということになります。

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 自動車の計画減産の影響があることは事実ですが、それを考慮に入れても、2月の鉱工業生産は低い水準と言わざるを得ません。

 2月の「出荷」は、季節調整済指数93.5、前月比▲4.6%低下と、生産同様2か月ぶりの低下となりました。指数の水準としては、平成24年11月以来の低い水準ですし、生産に比べると多少穏やかではありますが、鉱工業出荷単月の低下幅としては、東日本大震災以来の前月比低下幅となります。

 

 2月の「在庫」については、季節調整済指数112.0、前月比▲0.1%低下と、2か月連続の低下となりました。在庫の前年同月比も▲0.9%低下となっていました。生産低下の割には、出荷の落ち込みが限定的であったので、在庫の積み上がりは抑制されたようです。

 在庫循環図においても、昨年末から比較して、確実に在庫調整局面において進捗が見られます。

ただ、在庫率は、前月比で上昇しており、在庫調整についても楽観はできないのかもしれません。

 

 3月の生産予測調査の結果で生産の先行きをみると、平成28年3月の見込み値は、予測調査の結果そのものでは前月比3.9%上昇となります。この結果に、傾向的な過大見込みについての修正をかけた試算では、幅としては2.4%~4.5%上昇で、最も可能性の高い最頻値は3.5%上昇となります。

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http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/rev_forecast.pdf

 

 鉱工業生産の2月の結果を踏まえると、今年の1-3月期の鉱工業生産が前期比でプラスとなるためには、3月の季節調整済指数が少なくとも99.4程度になる必要があり、そのためには3月の鉱工業生産が前月比6%以上、上昇する必要があります。

 しかし、3月の製造工業予測調査の結果では、3月見込みの前月比は補正前ですら3.9%上昇に留まり、この値を機械的に適用すると、今年の1-3月期の鉱工業生産は、前期比▲0.7%低下と、2期ぶりに前期比低下となります。
 予測値の上方バイアスを除去した補正値でも3.5%上昇に留まっており、これで計算すると、前期比▲0.8%低下で、昨年の第4四半期に鉱工業生産は3四半期ぶりに前期比プラスとなりましたが、その勢いは続かないようです。
 
 昨年一年間の最低レベルに落ち込んだ昨年12月の鉱工業生産から、今年の1月に大きく反転上昇がみられましたが、2月にはその上昇幅よりもかなり大きく落ち込むということになり、指数の水準としては景気の「谷」の時期のレベルに落ち込みました。
 昨年後半からの鉱工業生産では、上昇すると低下、低下が続くと上昇するという不安定な動きが続いています。

 このペースで行けば、3月の生産実績は、昨年1年間の最低値である12月の96.2をかろうじて上回ります。

 しかし、第1四半期の鉱工業生産は前期比マイナスとなることが見込まれますし、3月生産計画の指数水準と昨年の最低値との差は小さく、昨年平均の98.1からも大きく下がっていることから、3月見込みの上昇を過大に評価しない方が良いと思います。

 

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◎結果概要ページ

www.meti.go.jp

 

◎図表集

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/b2010_201602refsj.pdf

 

◎データ冊子

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2010_201602sj.pdf

 

◎鉱工業指数のしくみと見方(解説スライド) 

 
◎お役立ちページ

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