経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

テレビ、新聞、ラジオ、雑誌の4媒体広告はやはり低調。確かに、インターネット広告は伸びているが、セールスプロモーションや催事企画といった分野(他に分類されない広告)が広告全体の牽引役となっている。

 全てのビジネスがネット化しているとされる中、広告も従来のメディアからインターネットへと言われることが多いと思います。しかし、第3次産業活動指数の広告業活動指数を用いて、広告に占めるインターネット広告の比率を見ると、2015年で11%程度であることが分かります。

 

 

 この「良く言われていることと統計数値のギャップ」の背景としては、「インターネット企業の広告活動(売上)」が、統計作成上のルールから、第3次産業活動指数の広告業には反映されていないという点があるのではないかと思い至りました。

 

そこで、今回の「ミニ経済分析」では、

・2015年までの広告業の媒体ごとの推移を確認する とともに

・既存の統計を活用してインターネット企業の広告活動指数の試算

を行うこととしてみました。

 このエントリーでは、まず「2015年までの広告業の媒体ごとの推移」を説明したいと思います。 

 

 2015年の広告業活動指数は、前年比1.8%上昇でした。

 現在の第3次産業活動指数は、2010年を100とする平成22年基準の指数(2008年分から作成)となっています。この間、リーマンショック東日本大震災の折に低下しましたが、2012年からは4年連続で前年比上昇となっています。

 

 

 広告業活動指数は、「4媒体広告(新聞、雑誌、テレビ、ラジオ)」と「その他の広告」に分かれますが、2015年の4媒体広告の活動指数は前年比▲3.6%低下、その他の広告の活動指数は前年比5.3%上昇と好対照の推移となっています。

 特に、4媒体広告は、リーマンショックによって大きく落ち込む前の2008年の指数値が107.2であることに対し、2015年の指数値は91.8で、リーマンショック東日本大震災を挟んだこの7年間で▲14%以上も活動水準を下げており、前年比もここ3年連続でマイナスとなっています。

 一方、その他の広告は、2008年の指数値108.6に対し、2015年の指数値119.1と、1割近く活動水準が上昇しています。前年比も2010年から6年連続でプラスです。

 

第3次産業活動指数を作成する際の各業種の「重み」であるウェイトを確認してみると、「広告業」のうち、「4媒体広告」よりも、それ以外の「その他の広告」の重みの方が大きくなっている(2010年基準)ことが分かります。「その他の広告」が、「4媒体広告」の1.3倍ほどの「重み」を持っていることになります。

 

 ここ数年の広告業活動指数の動きでは、ウェイトが大きく、順調に前年比を伸ばしている「その他の広告」指数の上昇が、広告業活動指数全体の前年比上昇をもたらしています。

 特に、2015年では「その他の広告」の上昇寄与が目立ち、四半期単位でみても、第3四半期を除いて前期比プラスで推移していました。

 

 

 ここ数年の「4媒体広告」指数の推移をみると、やはりウェイトの大きいテレビ広告(4媒体広告の7割のウェイト)の低下寄与が目立っています。

 次いで低下寄与が大きいのは、新聞広告という結果です。

 

 

 また、ここ数年の「その他の広告」指数の推移をみると、ウェイトがまだ1割を少し超える程度のインターネット広告が、着実に「その他の広告」を増加させていることが分かります。

 ただ、「その他の広告」への上昇寄与が大きいのは、「他に分類されない広告」でした。

 

ちなみに、「他に分類されない広告」に含まれるものを具体的に紹介すると、「SP・PR・催事企画」や電話帳広告、映画館・劇場広告、広告の制作、広告のための調査、広告の企画・開発、広告技術の開発などが含まれます。

(詳しくは、特定サービス産業動態統計調査の広告業の記入注意をご覧ください。

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/tokusabido/gaiyo/pdf/kinyuuchuui/hv10044_2j.pdf

 

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