読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

2015年の小売販売の動きを地域別に比較すると、百貨店は「関東」と「近畿」、コンビニエンスストアは西日本地域が全国平均を上回っており、業態ごとの特徴が見えてきます。

ミニ経済分析 個人消費 商業販売

 2015年の小売販売額の動きを振り返っています。

 今回は、百貨店・スーパー・コンビニエンスストア販売額の地域別比較を行った結果をご紹介します。

 

 平成27年の百貨店・スーパー・コンビニエンスストア販売額の前年比を地域別(経済産業局別)に、レーダーチャートで比較してみました。

  レーダーチャートとは、比較する構成要素を円周上に配置して、その構成要素間の変化の「アンバランスさ」を一目で把握することができるようにビジュアル化する方法です。今回のグラフでは、北海道を上に配置し、時計回りに地域を並べています。また、グラフ中の青線(黒く見ますが)の八角形は、全国平均の前年比伸び率の線を引いたものであり、各地域の伸び率を示す赤い線が外側に張り出している地域は、全国よりも販売額の前年比伸び率が高かったことになります。 

 この赤線が描く図形の歪みが、各業態の地域別販売額がアンバランスさを示していることになります。

 

 まず、全店ベースの各業態の地域別販売額のレーダーチャートを確認します。

 平成27年の百貨店では、「関東」、「近畿」の前年比が全国平均を上回りました。「中部」の前年比はマイナスとはいえ、他の5地域の前年比低下幅からすると、そのマイナス幅は小さいものに留まっています。平成27年の百貨店販売額は、やはり都市圏で相対的好調という方向となっていたことが分かります。

 

<参考記事> 

keizaikaisekiroom.hatenablog.com

 

 平成27年のスーパーでは、「中部」、「近畿」、「九州」が全国平均を上回りました。特に、「中部」の前年比上昇幅が大きく、全国平均の伸び率のけん引役でした。他方、「東北」「四国」「中国」の各地域の前年比マイナス幅が大きくなっています。平成27年のスーパーについては、ウェイトの大きい「関東」も前年比マイナスとなっていたので、東北、四国、中国といった地方のスーパーが全国平均の「重し」となっていたとまでは言えませんが、レーダーチャートのアンバランスが他業態と比べて目を引くかも知れません。

 

 3番目に、沖縄が別計上となる平成27年のコンビニエンスストアでは、店舗数が増加したこと等を背景に、「沖縄」、「四国」、「九州」、「中国」、「近畿」の伸び率が全国平均を上回りました。まさに、文字通りの西高東低でした。

 コンビエンスストアについては、店舗数を増やすことで販売額を増加させるという傾向が、スーパーと比べて顕著であることをご紹介しました。地域別のコンビニエンスストアの販売額の変化において、店舗数の増加の多い地域において。販売額の増加が目立つようです。

<参考記事> 

keizaikaisekiroom.hatenablog.com

  

 

  次に、平成27年の百貨店・スーパーの既存店ベースの販売額前年比を地域別(経済産業局別)に比較してみます。

 百貨店は、「関東」「近畿」「九州」が全国平均を上回りました。「関東」「近畿」は全店べースでも既存店ベースでも全国平均を上回ったことになります。他方、「中部」は既存店ベースでは全国平均を下回っていましたので、新店効果があったことになります。百貨店については、1店舗当たりの売上を増加させることで、販売額が増える傾向にありますが、平成27年の「中部」地域は異なる動きとなっています。

 逆に、「九州」は全店ベースでは前年比マイナスでしたが、既存店ベースでは、若干のプラスとなっていました。ということは、九州では不振店が閉鎖された結果、1店舗当たりの販売額が増加していたということになります。

 なお、百貨店の既存店ベースの販売額が平成27年に前年を上回ったのは、この3地域だけでした。

 

 スーパーでは、「北海道」「九州」「近畿」「四国」の既存店販売額の伸びが、全国平均を上回りましたが、これらの地域は、2つに分けることができます。

 第1グループは、全店ベースでは全国平均並みの伸び率でしたが、既存店では全国平均を大きく上回る伸びとなった「北海道」と「九州」です。これらの地域では店舗数が減少しており、相対的に調子の良くない店舗を閉鎖し、伸びている店舗を残しているものと解釈できます。 

 第2グループは、既存店ベースが全国平均よりも若干伸びている「近畿」「四国」で、「近畿」は全店ベースでは全国平均よりも伸びていますが、「四国」は全店ベースでは全国平均よりも低い伸びとなっています。共に、既存店は全国並みのプラスを維持しているとは言え、「近畿」には新店効果は、「四国」では廃店効果が見られるという差がありました。

 なお、既存店販売額でみると、百貨店、スーパーともに「東北」の全国平均からの下方かい離が目立っています。全店ベースでは、それ程目立ちませんでしたので、「東北」における継続既存店の低下が気になるところです。

  

f:id:keizaikaisekiroom:20160322132243p:plain

 

 

◎ミニ経済分析ページ

平成27年小売業販売を振り返る|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

◎スライド資料

 

◎ミニ経済分析の一覧表

f:id:keizaikaisekiroom:20160212181140p:plain