経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

百貨店は、事業所数を減らしながら、1事業所当たりの販売額を伸ばすことによって、全体の販売額を伸ばしている傾向にあります。

 2015年の小売販売額の動きを振り返っています。

 今回は、業態別に、百貨店、スーパーの販売額の変動要因分解を行い、それぞれの販売額の伸びには、事業所数と1事業所当たり販売額のどちらが大きく影響しているのかを見てみたいと思います。

 

 まず、百貨店について見てみます。
 平成19年から27年にかけての百貨店販売額(前年比)の変動要因分解を行ってみると、百貨店は、事業所数を減らしながら、1事業所当たりの販売額を伸ばすことによって、全体の販売額を伸ばしている傾向にあることが見て取れるかと思います。

 平成27年の百貨店販売額においても、この傾向は続いています。ただ、1事業所当たりの販売額は増加したものの、事業所数が減少したことにより、前年比▲0.0%の横ばいとなりました。百貨店販売額は、3年ぶりに前年水準を上回ることができませんでした。

 

 次に、スーパーについて見てみます。
 平成19年から27年にかけてのスーパー販売額(前年比)の変動要因分解を行ってみると、スーパーは、1事業所当たりの販売額は減少していたものの、事業所数を増やすことによって、全体の販売額を伸ばしている傾向にあったことが見て取れるかと思います。

 さらに、平成26年以降は、1事業所当たりの販売額も増加しており、27年のスーパー販売額は、事業所数と1事業所当たりの販売額がともに増加したことにより、前年比1.9%の増加となりました。この結果、スーパーの販売額は、2年連続で前年水準を上回っていました。

 

 

 コンビニエンスストアでは、主に事業数を増やすことによって、全体の販売額を野はしている傾向が見て取れます。確かに、平成20年(タスポ導入によるたばこの対面販売増加)や平成23年(たばこ増税など)のように、1事業所当たり販売額が急伸する年もありましたが、基本的には店舗の増加による業容の拡張と言って良いかと思います。この結果、平成27年のコンビエンスストアの販売額は、前年比5.5%上昇となっています。

 

 ただ、同じように店舗数増加によって業況を拡張しているスーパーとコンビエンスストアとは言っても、その内実には違いがるようです。

 スーパーでは、既存店ベースと全店ベースの前年比伸び率のグラフがほぼ並行線となっています。他方、コンビニエンスストアでは、全店ベースの前年比伸び率のグラフが既存店ベースのグラフよりも高い位置に描画されています。

 つまり、変動要因分解のグラフにおける青い棒グラフ部が店舗数(事業所数)の前年比寄与を表しているのですが、ここから、スーパーの店舗増加のペースは余り買わないで推移しており、コンビエンスストアでは、平成24年から店舗増加のペースがかなり高くなっていることが分かるかと思います。

 相対的に、販売額の増加に関し、コンビニエンスストアでは、店舗数を増加させていることの影響が大きくなっており、これが全店と既存店の前年比の推移を大きくかい離させている要因と推測されます。

 

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 今回のミニ経済分析のスライド資料には、この3業態について、平成27年の商品別内訳構成比や商品別伸び率寄与などのグラフ(ビジュアル)も載せていますので、是非お目通しください。

 

 

◎ミニ経済分析ページ

平成27年小売業販売を振り返る|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

◎スライド資料

 

◎ミニ経済分析の一覧表

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