経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

1月の製造工業の稼働率の前月比は大きく伸びた。過去の生産能力増強局面の水準とはかなり差のある状態で、平成28年の稼働率は始まったことになります。

 平成28年1月の製造工業稼働率指数は100.1で、前月比2.6%上昇と3か月ぶりの前月比上昇となりました。1月の鉱工業生産指数が、前月比で3.7%上昇となっていますので、生産の上昇、すなわち稼働率の上昇ということになっています。

 

 稼働率指数を機械工業と非機械工業と分けてみると、機械工業の稼働率は前月比3.8%上昇と2か月ぶりに前月比上昇で、非機械工業の稼働率は前月比0.8%上昇と4カ月ぶりの前月比上昇となりました。

 とはいえ、相対的には、機械工業の稼働状況の上昇幅が大きくなっています。

 

 ただし、機械工業の稼働率の前年同月比は▲8.1%低下で昨年1月の水準と比べると、大きく見劣りしています。機械工業の稼働率が前年水準を下回るのは、これで13か月連続となります。

 非機械工業の稼働率の前年同月比も▲1.2%低下で2か月連続のマイナスではありますが、生産設備の廃棄が計画的に進んでおり低位安定とでもいうべき状況で、機械工業の操業度の下がり方に比べると緩やかです。

 

 この稼働率と生産能力の関係を描いた散布図を見てみると、平成27年第4四半期と今年1月の点の位置の比較では、右下方向つまり、稼働率は改善するも生産能力は低下するという方向に動いていました。

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 しかし、昨年の同時期、つまり平成27年第1四半期と比較すると左下ということで、平成27年を通して生産能力も稼働率も良い方向に向かっていたとは言えません。

 この循環図(散布図)でみたときに、ここ10年ほどの期間で、生産能力指数が本格的に上昇したのは、平成17年第1四半期から平成20年第1四半期の期間でした。

 生産能力指数が上昇局面に転換した平成17年第1四半期の稼働率指数は110前後でした。この平成28年1月の稼働率指数は100.1に留まり、まだかなり差があります。

 

 平成26年後半から「はん用・生産用・業務用機械工業」や電子部品・デバイス工業の稼働率が高水準となり、平成27年初めには、生産能力指数が上昇局面に転換することも期待されました。

 しかし、その後鉱工業生産が停滞し、1月単月では鉱工業生産も稼働率も大きめの前月比上昇を見せましたが、水準的には決して高くない状態で、過去の転換局面のレベルからはかなり差のある状態で平成28年は始まったことになります。

 

<1月の生産能力についてはこちら> 

keizaikaisekiroom.hatenablog.com

 

 

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