経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

今年の1月、資本財の国内向け出荷は伸びたが、生産能力の増強には結びつかず、2か月連続の前年同月比マイナス。

 平成28年1月の生産能力指数は95.0で、前月比▲0.2%低下となりました。

 

 

 改めて、ここ2年ほどの生産能力指数の推移をみてみると、一昨年後半に下げ止まりの動きをみせ、昨年初までその動きが続きました。昨年4月には、55カ月ぶりに前年同月比でプラスとなり、生産能力を増強する局面に入るかと思われました。

 しかしながら、その後、生産能力指数が前月比で低下を見せる月が多くなり、4月以降で前月比プラスとなったのは、5月と10月だけでした。
 そして、とうとう昨年12月には、前年同月比が再び▲0.1%低下となり、今年の1月も前年同月比▲0.6%低下と2か月連続で前年水準を下回り、さらに低下幅も拡大しています。

 指数値95.0も、現在の平成22年基準で最低値となっており、当面は前年水準を下回る推移となる可能性が出てきています。

 

 今年1月の生産能力低下業種は7業種あります。情報通信機械工業と輸送機械工業の低下寄与が大きくなっています。

 また、この2業種の低下寄与の半分程度とはなりますが、化学工業と繊維工業が低下に寄与しています。

 

 他方、1月は生産能力を上昇させた業種も4業種ありました。

 「はん用・生産用・業務用機械工業」と鉄鋼業の上昇寄与が相対的に大きくなっています。1月は年の切り替わりのタイミングということで生産ラインの見直しが行われ、多くの業種、多くの品目で生産能力の変動が報告された月でした。

 

 1月の生産能力指数を機械工業と非機械工業に分けて見ると、機械工業の生産能力は前月比▲0.3%低下、前年同月比も▲0.2%低下、非機械工業の生産能力は前月比▲0.1%低下、前年同月比も▲1.3%低下と、ともにマイナス基調でした。

 

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 素材型工業を中心とする非機械工業では、引き続き構造的な設備過剰の解消のために計画的に設備廃棄が続いています。1月の非機械工業の生産能力低下についても設備が物理的に廃棄されたことによる低下が多くなっていました。
 機械工業においては、一部の品目では需要が出て来ていることに合わせて設備増強という報告もありましたが、1月の動き全体では、生産ラインの見直しによる生産能力の低下が大部分となっています。

 操業度、稼働率の大きな回復が当面見込めなくなっていることの証左かと思います。

 輸送機械を除く資本財の国内向け出荷は、1月前月比5.1%のプラスではありましたが、更新投資が中心となっているせいか、生産能力の増強にはつながっていないようです。

<1月の稼働率については、こちら> 

keizaikaisekiroom.hatenablog.com

 

 

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