経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

昨年の11月から、変動しやすい「し好的個人向けサービス」の前月比低下が続いており、例えば娯楽業の指数が東日本大震災直後のレベルに低下している。

 第3次産業全体を対個人と対事業所に分けて集計したものをみると、今年の1月は、対事業所サービスが前月比2.2%上昇、対個人サービスが前月比0.7%上昇と、ともに3か月ぶりの上昇となりました。

 

 対個人と対事業所が第3次産業活動指数総合に占めるウェイトはほぼ同じですので、全体への上昇寄与は、今年の1月については、対事業所サービスの方が大きかったことになります。

 


 対個人サービスは、必需的性格の強い「非選択的個人向けサービス」と景気変動との関係が強い「し好的個人向けサービス」に分けられますが、今年の1月では、非選択的個人向けサービスが前月比1.0%上昇と3か月ぶりに前月比上昇に転じた一方、し好的個人向けサービスが前月比▲0.4%低下と、こちらは3か月連続の前月比低下となっています。

 

 対事業所サービスを前月比で押し上げているのは、卸売業の各内訳業種で、卸売業以外で対事業所サービスへの上昇寄与が大きいのは「他に分類されない広告」でした。この「他に分類されない広告」とは、催事やポスター、ノベルティーの企画製作などメディアを使った広告ではないセールスプロモーションなどです。これが、1月には前月比23.0%上昇と広告業の中では際だって増加していました。
 1月の鉱工業生産が水準はともかく大きく前月比上昇し、輸出向け出荷も前月比4.1%上昇(国内向け出荷も2.4%上昇)、輸入品供給も前月比4.3%上昇と、企業間のモノの取引は活発でした。

 


 
 対個人サービスうち、生活必需的な非選択的サービスについては、医療関係や電気業が上昇していました。燃料小売業も上昇しており、また、機械器具小売業においてエアコンや暖房器具の売上げも良かったということで、電気業については多少暖房需要が増加していたものと思われます。

 

 今年の1月について注目しなければならないのは、対個人サービスのうち、し好的個人向けサービスの低下です。

 し好的個人向けサービスは、今年1月に指数値100.0、前月比▲0.4%低下と3か月連続の低下です。実は、昨年1年間のし好的個人向けサービスの推移をみると、12か月のうち前月比で上昇したのは、2、7、10月の3回でだけでした。
 さらに、前年同月比も▲1.2%低下と3か月連続の低下となっています。平成26年1月の前年同月比も▲1.9%低下でした。増税前の駆け込み需要が多少あったとはいえ、今年の1月のし好的個人向けサービスは一昨年1月の水準から3%以上低下していることになります。
 し好的個人向けサービスの指数値が今年の1月は100な訳ですが、近年でこのレベルに指数が下がったのは、平成26年の消費増税直後の4月や6月まで遡ります。そこから遡ると、東日本大震災のあった平成23年のほぼ1年間にまで遡ることとなります。
 こうみると、今年1月のし好的個人向けサービスの水準は、低いと言わざるを得ないと思います。

 

 後方3か月平均で均した個人サービスの前月比内訳寄与のグラフを見ると、昨年1年間、特に4月以降はオレンジ色のし好的個人サービスの前月比プラス寄与が少ないことが分かります。さらに、昨年10月に一月だけ上昇していますが、その後今年の1月まで低下寄与が続いています。

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 今年1月のし好的個人向けサービスの前月比低下寄与を生み出しているのは、一部の小売業のほか、ゴルフ場、自動車整備業、「食堂、レストラン、専門店」といった個別ビジネスで、大きくは娯楽業の低下寄与が大きくなっており、やはり生活娯楽関連サービスに属するビジネスが寄与しています。

 

 生活娯楽関連サービス業の折線グラフの右端を見ていただくと、昨年末から今年1月にかけての低下により、足元では平成23年の東日本大震災から回復した指数値100前後のレベルを、割り込んでいることが分かります。

 

 その中でも娯楽業の指数水準は92.0は、東日本大震災直後の3、4、5の3か月に次ぐワースト第4位となっており、こういった方面のビジネス活動が低迷しています(娯楽業のうち、1月の全体に対してプラス寄与となっているのは、相撲と遊園地・テーマパークだけ)。

 

 個人消費に占めるサービスに向けた支出は既に過半を超えているとされていることからして、こういった生活娯楽関連サービスの活動が低迷しているというのは、非常に気になる結果です。

 

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