経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

業種的には、1月の鉱工業生産は反動増によって前月比増加。寄与が大きかったのは、「はん用・生産用・業務用機械工業」、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業だった。

 平成28年1月の鉱工業生産は、前月比3.7%上昇でしたが、業種的に言えば、速報15業種中12業種で上昇、2業種で低下、窯業・土石製品工業が横ばいでした。

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 そ の中で、特に上昇寄与が高かったのが、「はん用・生産用・業務用機械工業」でした。この業種は11月、12月と鉱工業生産低下の大きな要因となった業種で す(共に、11月は低下寄与トップ、12月は低下寄与2位)。1月の「はん用・生産用・業務用機械工業」は前月比7.3%上昇と大きく上昇しています。

 ただ、その指数水準を昨年前半と比較すると、かなり見劣りのする水準であり、1月の前年同月比も▲8.6%低下と 前年水準を大きく下回っています(5か月連続の前年割れ)。予測調査の結果でも、1月見込みから実績への下方修正が▲5.0%と大きく、なかなか期待や受 注の通りには、生産出来ていないようです。
「はん用・生産用・業務用機械工業」では、昨年末に非常に低い生産水準となっていた半導体製造装置の反 動増、化学プラントの設備更新対応で増加している反応用機器、各種製品のモデルチェンジなどに伴い需要が増加しているプレス用金型によって1月の生産は上昇しまし た。

 

 次に上昇寄与が大きかったのは、輸送機械工業と電子部品・デバイス工業です。

 輸送機械工業の生産は、3か月ぶりに前月比2.9%上昇となりました。普通乗用車と自動車部品の生産が増加したことによるものです。

 電子部品・デバイス工業については、前月比6.3%上昇となっており、やはりスマートフォン用のメモリやCCDが生産増となっています。予測調査の結果でみ ても、電子部品・デバイス工業は実績の方が1月の見込み値を上回っており、1月当初の生産計画よりも生産実績が上回っていたことになります。昨年同様に、 春節前の出荷増という現象は今年も再現されました。
 しかし、昨年の1月の生産水準からは、▲7.2%も低下しており、水準は高いとは言えません。予測通りになるとすると、1、2月平均は昨年の12月の水準ですので、1月の電子部品・デバイス工業の前月比上昇をとても好調な結果とは評価できません。

 

 平成28年1月の鉱工業出荷は前月比3.4%上昇と3か月ぶりの上昇となりました。この鉱工業出荷を需要先別の分類である財別分類で見てみると、 企業が事業活動の原料や部品として利用する生産財の出荷が前月比3.2%上昇、最終需要財の出荷が前月比3.2%上昇となりました。生産財と最終需要財の ウェイトは、ほぼ半々ですので、需要先別に見ると全般的に出荷が1月は増加していたことになります。


 最終需要財の中では、企業が利用する投資財と家計に需要がある消費財とでみると、消費財出荷3.3%上昇で、特に耐久消費財の出荷が伸びています。輸出に先導されて高い水準であった昨 年1月との比較では前年同月比▲2.6%低下でまだ振るいませんが、平成27年平均の水準82.2と比べると高い水準となっています。1月の指数値 85.8は、昨年3月の86.8以来の水準であり、低迷した昨年4月以降からの水準からすると少し高くなっていました。
 一方、投資財出荷の前月比0.7%上昇はが低く見えますが、これは鋼船や鉄道車両といった自動車関連以外の輸送機械工業の製品の出荷が低下しているためです。輸送機械工業の出荷は前月比マイナス ですが、輸送機械工業から船舶や鉄道車両、航空機関係を除いた指数の出荷は前月比2.4%上昇となっており、自動車関係の出荷は良くなっていました。
 よって、輸送機械を除く資本財の出荷でみると前月比7.1%上昇となっており、指数値115.4も、昨年7月以来の高い値であり1月は好調でした。この方向感が持続するのかどうかが問題です。

 

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