経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

2015年を通して見ると輸出向け出荷は前年比でプラスだったが、12月は2か月連続の前月比低下となり、12月のレベルは昨年の最低レベルに落ち込んでいた。

 平成27年12月の鉱工業出荷確報値は、94.7、前月比▲1.8%低下と2か月連続の前月比低下となりました。

 この鉱工業出荷指数と貿易統計を再編集して、国内拠点から出荷されたものが国内と輸出のどちらに向けられているかを示す「鉱工業出荷内訳表」を作成しています。

 

 

 平成27年12月の輸出向け出荷は指数値96.5、前月比▲0.9%低下で、国内向け出荷は、指数値94.7、前月比▲1.5%低下となり、国内向け出荷、輸出向けの出荷ともに2か月連続の前月比低下となりました。
 平成27年でみると、輸出向け出荷は前年比1.3%の上昇でしたが、国内向け出荷は前年比▲1.6%低下となり、出荷全体を押し下げました(出荷全体の前年比は確報値で▲1.1%低下)。

 

 国内向け出荷は、10月まで3か月連続の前月比上昇で、指数値の水準も昨年の1月に続く2番目の高さとなっていました。このため、平成27年第4四半期の国内向け出荷指数は、3四半期ぶりに前期比1.5%の上昇となりました。
 しかし、国内向け出荷に勢いがあったのは、あくまで10月までで、そこから11月、12月と2か月連続の前月比低下となり、12月の指数水準は、平成27年中の最低レベルに低下してしまいました(平成27年7月の94.6が最低値)。

 

 輸出向け出荷が2か月連続で前月比低下したのは、昨年ではこの11月、12月のみでした。第4四半期も2期ぶりの前期比低下となりました。
 平成27年の輸出向け出荷の指数値は、国内向け出荷指数の動きと比べて上下動の大きいものでしたが、国内向けと同様に、12月には平成27年の最低レベルに落ち込んでしまいました(平成27年5月の96.4が最低値)。

 

 12月の出荷全体で見たときに低下寄与が大きかったのは、電子部品・デバイス工業、輸送機械工業、「はん用・生産用・業務用機械工業」です。

 国内/輸出で分けてみると、国内向け出荷では、電子部品・デバイス工業、「はん用・生産用・業務用機械工業」の低下寄与が大きく、輸出向け出荷では、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業の低下寄与が大きくなっています。

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 電子部品・デバイス工業の輸出向け出荷の指数値は、12月で88.9となり、昨年1月の113.2からは、2割以上の低下となっています。平成27年の電子部品・デバイス工業の輸出向け出荷前年比は1.2%上昇とはなりましたが、四半期でみると、実は第1四半期から4四半期連続で前期比低下となっており、高い水準から1年かけて低下していた年ということになります。第4四半期の3か月は連続して前月比低下であり、電子部品・デバイス工業の輸出向け出荷は、方向感も水準感も悪くなっています。

 他方、平成27年の電子部品・デバイス工業の国内向け出荷は前年比12.2%上昇と大きく上昇となっており、電子部品・デバイス工業の国内向け出荷の比率が、平成26年と比べて若干ではありますが上昇していました(平成27年 国内70%:輸出30%、平成26年 国内68%:輸出32%)。

 

 国内向けと輸出向けのどちらが、出荷全体を動かしているのかを後方3か月移動平均指数でみると、国内向け出荷の前月比寄与が再びマイナス方向に変わると同時に、方向感が読み取りにくくなっていた輸出向け出荷もマイナス方向に変わりました。

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 12月の出荷低下に対する寄与は、国内向け出荷が、かなり大きいのですが、前年比プラスで出荷全体を多少なりとも支えていた輸出向け出荷の勢いが悪くなっていることは、懸念材料の一つです。

 

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