経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

2015年Ⅲ期では、電気機械工業の出荷海外比率や海外市場比率は輸送機械工業に比べてかなり低く、いわば製造業の平均値に近い。

 グローバル出荷指数を用いると、各四半期の指数値だけではなくて、グローバル化の進展を推し量ることのできる各種の比率を計算することができます。代表的には、「出荷海外比率」「海外市場比率」「逆輸入比率」です。

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 出荷海外比率は、国内/海外の生産拠点からの出荷合計に対する海外拠点からの出荷の比率です。平成27年7-9月期(Ⅲ期)の電気機械工業の出荷海外比率は、31.4%となっています。この生産側からみた電気機械工業のグローバル化は、生産量の3分の1近くが海外出荷となるほど進展しているということになります。製造工業全体の出荷海外比率は、29.4%であり、電気機械工業の生産面のグローバル化は、製造工業全体より多少進んでいるということになります。

 

 次に、海外市場比率です。海外市場比率は、国内/海外の生産拠点からの出荷合計に対し、日本以外の海外市場向けに出荷されたもの比率です。日本からの輸出向け出荷と海外拠点からの自国(現地法人所在地)向け出荷と第3国向け出荷の合計の比率ということになります。

 平成27年Ⅲ期の電気機械工業の海外市場比率は、40.9%となっています。この需要面からみた輸送機械工業のグローバル化は、出荷量の4割が海外市場向けとなるほど進展していることになります。ただ、製造工業全体の海外市場比率が41.0%ですので、電気機械工業の海外市場比率が特に高い訳ではありません。
 こう見ると、生産面、需要面でみて、電気機械工業のグローバル化は、製造工業の平均的レベルということができます。

 

 最後に、逆輸入比率です。逆輸入比率は、日本の輸入量に占める海外生産拠点からの日本向け出荷量の比率です。平成27年Ⅲ期の電気機械工業の逆輸入比率は、48.3%となっています。電気機械工業に属する品目の日本の輸入の半分ほどが、日本企業の海外生産拠点からの輸入ということになります。製造工業全体の逆輸入比率が24.5%ですので、電気機械工業の日本への総供給の中で、海外企業の製品の占める割合が高くなるという観点でのグローバル化は、繊維工業などを含む全体に比べて、それ程ではないということでしょう。
 電気機械工業の逆輸入比率は、毎年Ⅲ期に高くなるパターンがあり、平成26年Ⅲ期の逆輸入比率は、50%を大きく超えていましたが、それに比べると平成27年Ⅲ期のレベルは低くなっています。

 

 平成27年Ⅲ期の電気機械工業の鉱工業総供給表における輸入品供給は増加していました(平成26年Ⅲ期:115.9、平成27年Ⅱ期:117.0、平成27年3期:120.3)し、その一方で、電気機械工業の海外出荷指数のうちの日本向け出荷指数(原指数)は130.2で、平成26年度の135.7から落ち込んでいることの結果です。輸入自体は増えているのに、日本企業の海外生産品の日本への出荷は落ちているのというのは気になるところです。

 

<製造業の各比率>

 

◎ミニ経済分析

引き続き海外が伸びる輸送機械工業と国内回帰の兆しも見える電気機械工業 ~グローバル出荷指数2大業種の動き~|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

◎スライド資料

 

keizaikaisekiroom.hatenablog.com