経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

2015年第3四半期の電気機械工業の国内/海外拠点からの出荷であるグローバル出荷は、2期連続の前期比低下、10四半期ぶりに前年同期比も低下。

 平成27年7-9月期(Ⅲ期)の製造工業グローバル出荷指数(季節調整済み)は、指数値104.0(平成22年平均=100)、前期比▲0.1%低下と、2期連続の前期比低下となりました。この▲0.1%の前期比に対し、国内拠点からの出荷である国内出荷指数は、▲0.2%ポイントの低下方向への影響(寄与)を与えており、逆に、海外現地法人の生産拠点からの販売量である海外出荷指数は、0.3%ポイントの上昇寄与を見せました。日本の製造工業のグローバル出荷においては、海外生産拠点からの出荷が増加し、国内出荷は横ばい又は若干の低下という趨勢となっています。

 

 平成27年Ⅲ期のグローバル出荷指数(原指数)で、業種別の構成比をみてみると、輸送機械工業が49.3%を占めており、一業種で半分近くをし得ていることになります。それに次ぐのは、電気機械工業(電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業、電気機械工業の合計)で、平成27年Ⅲ期で18.6%となっています。

 

 そこで、グローバル出荷に占める存在感の大きい電気機械工業の同期のグローバル出荷指数(季節調整済み)をみてみると、平成27年Ⅲ期の指数値96.5、前期比▲2.0%低下と、2期連続で前期比低下となっていました。

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 グローバル出荷全体は前期比低下でしたが、電気機械工業のグローバル出荷も前期比マイナスでした。

 また、電気機械工業の出荷を国内出荷と海外出荷に分けると、海外出荷が前期比0.4%上昇、国内出荷は▲3.1%低下と、海外出荷と国内出荷で方向感が異なる結果となっています。平成27年Ⅱ期は、海外出荷も前期比マイナスでしたが、そこからⅢ期に海外出荷は回復しています。国内出荷は平成27年Ⅰ期から3期連続の前期比マイナスとなっており、電気機械工業の国内出荷の方向感は悪化している状況で、この国内出荷の不振を補えるほどには、海外出荷が好転していなかったということになります。

 

 次に、電気機械工業のグローバル出荷を前年水準と比較してみます。
 電気機械工業の平成27年Ⅲ期のグローバル出荷は、前年同期比▲0.6%低下でした。電気機械工業のグローバル出荷は、平成26年Ⅱ期に前年同期比0.1%上昇とほぼ前年水準並みにとどまった四半期もありましたが、平成25年Ⅱ期以来、9四半期連続で前年同期比プラス推移でした。これが、平成27年Ⅲ期に10四半期ぶりに前年同期比マイナスとなりました。
 

 

 電気機械工業のグローバル出荷は、ここ2、3年の出荷水準を大きく下回る状況ということではありませんが、前期比が2期連続の低下、前年同期比も久方ぶりにマイナスということで、方向感が悪くなったことは否めないところです。

 この方向感の悪さを生み出しているのは、電気機械工業の海外出荷の動きです。
平成27年Ⅲ期の海外出荷指数(季節調整済指数)は114.8で、前期比は0.4%上昇でしたが、同年Ⅱ期の前期比は▲4.3%低下と大きく低下しており、Ⅲ期にその低下分を全く補えていませんでした。このため、久方ぶりに電気機械工業のグローバル出荷は前年割れとなりました。
 一方、国内出荷は、前期比では2期連続の低下となっていますが、平成26年Ⅳ期と平成27年Ⅰ期に2期連続で前期比が大きくプラスとなったため、水準が高くなっており、平成26年Ⅳ期から4期連続で前年水準を上回っています。


 確かに、平成27年Ⅲ期の電気機械工業の国内出荷は前期比▲3.1%低下とはなりましたが、全体の動きに影響を及ぼしたのは、海外出荷の方でした。

 指数値をみても、国内出荷指数の平成27年Ⅲ期では89.8で、平成26年度の91.0からすると、▲1.3%の低下です。一方、海外出荷指数では、平成26年度の118.1に対し平成27年Ⅲ期が114.8なので、▲2.8%の低下となり、海外出荷指数の前年からの低下幅が大きくなっています。この面からも、電気機械工業の平成27年Ⅲ期の方向感を押し下げていたのが、海外出荷であることが分かります。

 

◎ミニ経済分析

引き続き海外が伸びる輸送機械工業と国内回帰の兆しも見える電気機械工業 ~グローバル出荷指数2大業種の動き~|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

◎スライド資料

 

keizaikaisekiroom.hatenablog.com