経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

好調なアメリカの自動車市場の影響は、日系メーカーの北米現地生産に効果有りだが、日本国内生産への影響は限定的であることを指数で確認してみました。

 2015年の米国の新車販売台数は、前年比5.7%増の1,747万台となり、15年ぶりに過去最高を更新しました(米調査会社オートデータ調べ)。

 メーカー別のシェアでは、日本車メーカー4社が10位以内にランクインしています。米国の新車販売台数は2008年秋のリーマン・ショック後の不況で、2009年には1043万台まで落ち込みましたが、その後は増加傾向で推移しています。

 この米国市場の過去にない好調さが、どの程度、日本国内の自動車生産に波及しているか、生産指数を見てみました。

 

 米国の鉱工業指数における「自動車・同部品」の生産指数は、「底」であった2009年6月からV字の回復を遂げ、足下ではリーマン・ショック前の生産水準を大きく上回っています。一方、日本の生産指数は、明らかに米国と異なり、「伸び悩んでいる」あるいは「緩やかに下がっている」と言わざるを得ない動きとなっています。

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 日本車メーカーの米国現地での生産が進んでいるということは、従前から指摘されている点ですが、両国の指数の違いを見ると、改めてグローバル化の影響は大きいと実感します。
 そこで、自動車を含む輸送機械工業について、日系製造業の国内外の生産拠点からのグローバルな米国向け出荷を捉えることが可能な「日系製造業のアメリカ向け総供給指数(※)」で動向を確認してみると、リーマン・ショック東日本大震災という大きなショックによって海外現地法人の活動が低下した時期を乗り越えた後、2012年第1四半期以降は、主に「米国を含む海外における日本の現地法人からの米国向け出荷」の増加によって、日系製造業の海外拠点からの米国市場への供給においてプラスの伸びが続いていることがわかります。

 

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 なお、若干古い資料になりますが、米国市場や欧州市場における日本車販売と日本からの自動車輸出の関係を確認した資料もありますので、ご関心の向きは、お目通しいただければと存じます。

・欧州における日本車販売と自動車輸出の関係(2015年1月)

 http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/pdf/h2amini011j.pdf

 

・米国における日本車販売と 自動車輸出の関係の希薄化(2014年10月)

 http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/pdf/h2amini009j.pdf

 

 さて、2016年も米国の「自動車・同部品」生産指数は堅調さを維持できるのでしょうか。日本は国内生産の伸び悩みを打破できるのでしょうか。今後の動向を見守っていきたいと思います。

 

(※)アメリカ向け総供給指数に関する関連記事

keizaikaisekiroom.hatenablog.com

 

◎ひと言解説の一覧表

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◎出荷内訳表(2015年11月)

 

◎グローバル出荷指数(2015年第3四半期)