経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

今年1月の製造工業の生産は前月比で大きめの上昇を見せるも、その上昇分は2月の低下で相殺されてしまう可能性が高く、年初の生産水準は昨年の最低レベルに近い水準から始まることになる可能性大。

 今年1月の製造工業予測調査の結果です。

 平成28年1月生産見込みの前月比は7.6%上昇が見込まれており、2月予測の前月比は▲4.1%低下予測です。

 平成27年の9、10月と2か月連続生産上昇、11月、12月と2か月連続の低下、そして平成28年の1月上昇、2月低下と生産の推移は「上がれば、下がる」を繰り返していることになります。

 平成28年1月見込みについては、高い前月比上昇幅を見せており、前回調査よりも上げ幅が大きくなっています。しかし、これは、平成27年12月実績が見込み値より▲2.4%低下しているためであり、前回調査における1月予測値から、今回の調査では生産計画は▲0.9%下方修正されています。
 よって、1月の生産計画については、水準として強気は強気ですが、前回調査に比べて強気度合いが増しているということではないので注意が必要です。

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 1月の生産見込みを引き上げているのは、影響度の順番でいうと「はん用・生産用・業務用機械工業」、輸送機械工業、情報通信機械工業です。

 ここで注意したいのは、情報通信機械工業で、この業種については生産見込みの大きな下方修正が続いています。平成27年12月についても、見込みと実績のズレが1割を超えており、前回調査での12月見込み前月比15.2%に対し、12月実績の前月比は1.7%に留まりました。

 仮に、この情報通信機械工業の1月の生産の伸びが、12月と同様に小幅なものに下方修正されると、鉱工業全体の前月比も6%程度の伸びに落ちることになります。

 

 次に、2月の生産予測を下げているのは、輸送機械工業、「はん用・生産用・業務用機械工業」、電子部品・デバイス工業です。概ね1月にモノを生産、出荷してしまうという感じになります。

 

 この2か月のデータを見た場合、この調査結果の通りであれば、2月に生産は低下するものの、2月の指数値は12月に比べてかなり高くなることになりますし、2月の前年同月比もかなりのプラスとなります。
 しかし、当月見込みから実際の実績までには、多ければ2%程度の低下が見込まれますし、翌月予測も多くの場合下方に修正されます。2月の値について、過去の平均的な予測下方修正と実績段階での下方修正を施すと、その水準は、12月分とほとんど変わらない水準になります。つまり、1月の上昇分は、2月の低下分で相殺されてしまうということになります。

 いずれにせよ、1月が前月比で上昇することは間違いないとは思いますが、その上昇幅については、5~4%に落ち込むことも確実だと思います。

 さらに、2月の下げ幅は、調査結果自体でも、補正された1月の上昇分を相当程度相殺してしまう下げ幅が予測されますが、さらにここから下方修正があり得ることから、1月の上昇分を完全に相殺してしまうことになる可能性が高いと思われることに注意が必要かと思います。

 

 ちなみに、そうなると平成28年2月の生産水準は、平成27年12月の生産水準並になりますが、この平成27年12月の生産水準は、平成27年でも最も生産指数が低い値となった8月に次ぐ低さです。平成28年は、平成27年とことなり、年初の発射位置がかなり低い所から始まるということになります。

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◎結果の概要 

www.meti.go.jp

 

◎データ冊子

 

◎図表集

 

◎鉱工業指数 しくみと見方

 

gatu ◎解説マンガ