経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成27年全体では電子部品・デバイス工業の生産は上昇していたが、12月となると電子部品の製造装置と電子部品の生産低下が目立っている。

 平成27年12月の鉱工業生産は、前月比▲1.4%低下でしたが、業種的に言えば、速報15業種中11業種で低下、4業種で上昇となりました。

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 その中で、特に低下寄与が高かったのが、「はん用・生産用・業務用機械工業」と電子部品・デバイス工業です。それらに次いで影響が大きかったは、輸送機械工業、電気機械工業です。

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 「はん用・生産用・業務用機械工業」は2か月連続の低下となっており、昨年10月の前月比上昇を除くと、昨年後半年は基本的に下げ基調にあります。

 この業種の四半期単位の生産を見ても、昨年の第4四半期は3期連続で前期比マイナス、2期連続で前年同期比マイナス、平成27年としても▲0.7%低下となりました。

 一昨年の前年比が11.0%上昇なので、年の指数値としての水準は110台を維持していますが、年前半の生産の方向感としての勢いは、年央以降なくなっていました。

 12月の品目で言えば、反応用機器は生産指数が11月のレベルから3分の1になっており反動減という面が大きいようです。フラットパネル・ディスプレイ製造装置や半導体製造装置は、昨年夏場の高い水準から落ち込んでおり、輸出向けを含めて不調が続いています(台湾向けの輸出が12月に大きく低下。中・韓向けは前月比上昇)。

 

 電子部品・デバイス工業については、やはりスマートホン向けの電子部品の低下が目立ちます。特に、CCD(小型カメラ用の重要部品)については、急速に生産、出荷の指数が低下しており、在庫も急伸してしまっています。

 半導体製造装置やFP製造装置の生産出荷の低下からみても、電子デバイスは世界的に不調ということなのでしょう。 

 

 

 平成27年という年ベースでみると、輸送機械工業の生産は前年比▲2.7%低下と2年ぶりの低下となり、昨年の鉱工業生産への低下寄与が最も大きくなっています。指数値としても一昨年の水準を下回っています。

 昨年の輸送機械工業の動きをみると、歴史的にみても高止まりしていた在庫水準という状況下、年初から前年水準を下回る生産水準で推移していました。生産を抑制した結果、年後半には在庫減局面に入りました。ただし、生産は11月、12月と2か月連続で低下となっていますので、生産の方向感はまだ上向いているとは言えません。

 

 逆に、平成27年の鉱工業生産のけん引役だったのは、電子部品・デバイス工業で前年比6.4%上昇となりました。生産、出荷ともに高い水準にあった平成26年第4四半期のレベルが平成27年の前半維持されました。しかし、第3四半期に生産、出荷ともに前期比が大きなマイナスを見せました。

 9月と10月に生産、出荷ともに大きく上昇したことから、やはり第4四半期に中国向けのスマホ部品類の輸出による生産増加の再来かと思われましたが、11月、12月と2か月連続の低下となり、平成26年末の勢いの再来は実現していません。

 逆に、12月の前月比低下幅は大きく、久方ぶりに生産、出荷ともに前年水準を大きく下回っています。

 平成27年前半の生産が好調であった結果、電子部品・デバイス工業は平成27年全体でみると鉱工業生産のけん引役でしたが、平成28年の鉱工業生産のけん引役となってくれるかどうは微妙と言わざるを得ません。

 

 平成27年では、15業種中13業種が低下で、電子部品・デバイス工業と化学工業(除.医薬品)の2業種が上昇でした。

 輸送機械工業と電子部品・デバイス工業の2業種以外で、年ベースの鉱工業生産の上下動に大きな影響を及ぼしたのは、生産低下については、輸送機械工業の影響度に比べると半分程度ではありますが、パソコンが不振だった情報通信機械工業、輸出も前年比で低下していると同時に、国内製造業向けの特殊鋼が不振だった鉄鋼業でした。

 生産上昇については、化粧品類の輸出が好調で化学工業が上昇寄与となっていますが、その上昇寄与は電子部品・デバイス工業に比べると3分の1以下よりも小さくなっていました。

 なお、電子部品・デバイス工業と並んで昨年始めの鉱工業生産のけん引役であった「はん用・生産用・業務用機械工業」でも平成27年前半と年後半で明暗がはっきりと別れ、昨年の第3四半期と第4四半期は、前期比低下、前年同期比低下となり、非常に高い水準から平凡な水準に落ち込み、方向感も下げ基調となっていました。

 

 

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