経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成27年12月の鉱工業生産は前月比マイナス1.4%と2か月連続の低下、平成27年の鉱工業生産も前年比マイナス0.8%と2年ぶりの低下

 平成27年12月の「生産」は,季節調整済指数96.5,前月比▲1.4%低下と2か月連続の前月比低下となりました。

 昨年末12月の予測調査では、前月比0.9%上昇という見込みでしたが、通常の下方修正の傾向どおり、やはり実績では前月比低下となりました。

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 この12月の結果を踏まえると、昨年10-12月期の鉱工業生産は3期ぶりに前期比プラスとはなりますが、平成27年の鉱工業生産は前年比▲0.8%低下と2年ぶりの低下となりました。

 振り返って見ると、平成27年の全ての四半期が前年同期比マイナスで、月次でみても前年同月の生産量を上回った月は、3回(4月、6月、11月)のみで、その内4月は前年同月比0.1%上昇に留まりますので、明瞭に鉱工業生産が前年同月を上回っていたと言えるのは2か月だけでした。
 昨年12か月のうちで、最も低い季節調整済指数値となったのは、8月の96.3で、前年同月比低下幅が最も大きかったのは5月の▲3.9%低下ではありますが、これらの月だけではなく、1年を通して生産は前年水準を下回っていたのでした。

 昨年12月までの予測調査の結果では、当月見込みについては、前年同月の生産実績を上回った月が半分、翌月見込みについても同じく半分で、昨年中の多くの月で、平成26年の生産実績を超えようという計画や予測だったのですが、それらの計画や予測は、空回りしていたということになります。

 

 日系企業の海外生産拠点からの出荷量は、昨年の第3四半期まで各期ともに前年同期比プラス(15期連続)なので、海外生産は盛んであった一方で、国内生産拠点における生産は低調であったということになります。

 

 翻って、他の産業について、11月までのデータで、前年同期比を計算すると、第3次産業活動指数では前年比プラス0.9%、建設業活動指数では前年比プラス0.3%上昇となります。両指数とも、12月の指数が相当大きく低下しないと、前年比はマイナスとはなりません。とすると、平成27年は、2年ぶりに前年比マイナスの鉱工業の不調が目立つ年だったと言えるかと思います。

 

 平成27年12月の「出荷」は、季節調整済指数94.8、前月比▲1.7%低下と2か月連続の低下でした。昨年10―12月期の出荷は3期ぶりの前期比上昇となりましたが、平成27年の鉱工業出荷は生産同様、前年比▲1.0%低下と2年ぶりの低下になりました。

 結果的に平成27年の12か月のうち8か月間、鉱工業出荷指数は前年同月を下回りました。消費増税前の駆け込みで出荷が盛り上がった時期との比較となる1~3月のみならず、その後の出荷が落ち込んだ水準(平成26年4月の前月比▲3.7%低下)との比較となる4月以降の9か月のうち、半分以上の5回は前年水準を下回っていました。

 また、昨年の四半期単位でみれば、全ての四半期で前年同期比マイナスですので、増税前の駆け込みからの反動だけで、出荷が前年水準を下回ったという評価は妥当でないと思います。

 

 平成27年12月の「在庫」は、季節調整済指数112.3、前月比0.4%上昇と2か月連続の上昇となりました。一昨年、平成26年末と同じ指数値となっています。業種別に見れば、在庫指数が前年水準を下回っている業種もありますが、鉱工業全体でみると、昨年1年間で在庫を減らすことができませんでした。
 在庫循環図を見ていただくと、結局昨年のほとんどの期間が「(意図せざる)在庫積み上がり局面」におり、第4四半期に入ってやっと「在庫調整局面」に入りました。この間、生産は常に前年水準を下回っていましたので、出荷=需要の減退がより大きくて、在庫水準は恒常的に前年同期末水準を上回っていました。月次でみても、在庫が前年同月末比でマイナスになったのは、11月のみでした。

 12月単月や第4四半期でみれば、多少在庫圧力は低下しては来ているのでしょうが、昨年1年を俯瞰してみると、在庫調整が大きく進んだという評価は難しく、「はん用・生産用・業務用機械工業」のように、在庫循環の状況が年の後半に悪化した業種もありますので、一昨年の消費増税後の「作りすぎ」を解消しきるには、まだ時間が必要ということかもしれません。

 

 平成28年年明け2か月の予測については、1月は前回調査から引き続き前月比上昇見込みとなっており、前月比7.6%上昇とあまり例のない上げ幅となっています。前回調査の前月比6.0%上昇から上方に変化していますが、これは、12月実績の低下による分が大きく、実際の生産数量としては、前回調査の予測値からは下方修正されていますので、生産計画が昨年末に比べて強気になっているということではありません。
 2月の予測値は、これもかなり大きな低下予測となっており、前月比4.1%低下予測です。
 勿論、1月の上昇幅も相当程度の下方修正を想定する必要がありますし、2月の予測値にても、更に下方修正が施されるものと思われます。そういった下方修正がなされると、2月の結果としての生産は、ほとんど12月と変わらない水準に落ち込む可能性も否定出来ない結果となっています。

 

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