経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

2015年11月は、米国向けの資本財、中国向けの生産財の出荷が低下。ただし、化粧品に代表される非耐久消費財の中国向け出荷は微増ではあるが、堅調に推移。

 出荷内訳表の輸出向け出荷の仕向け先別の結果を見てみます。
 平成27年11月の輸出向け出荷前月比▲2.9%低下に対して、中国向け出荷が前月比▲4.3%低下で低下寄与が▲1.10%ポイント、米国向け出荷が前月比▲6.5%低下で低下寄与が0.97%ポイントとなっています。この2地域向けの出荷の低下で、11月の輸出向け出荷の前月比低下のかなりの部分を説明することができます。

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 この中国向け出荷と米国向け出荷の財別の内訳を確認すると、かなり差があることが分かります。

 まず、11月の米国向け出荷指数(季節調整済み)は、指数値114.5と基準年である2010年=100を上回る水準で推移しています。一方、ウェイトは米国よりもかなり大きいものの中国向け出荷指数(季節調整済み)は、指数値88.3と基準年の水準を大きく下回る水準となっています。

 米国向け出荷においては、相対的に最終需要財のウェイトが高く、11月の前月比低下に対する寄与でもその一部である資本財の低下寄与が最も大きくなっています。生産財の低下寄与も一定程度ありますので、米国産業の中間投入向けの原材料等の需要も低下していました。資本財の中身は、機械類です(はん用・生産用・業務用機械工業の米国向け出荷は11月に大きく低下しています)。

 中国向け出荷においては、米国と異なり生産財の占める割合がほぼ3倍となっています。11月の中国向け出荷を引き下げていたのは、やはり生産財、特に鉱工業用生産財でした。やはり、電子部品・デバイス工業等の部材類の需要が低下していました。輸送機械を除く資本財の中国向け出荷は、11月は前月比▲3.7%低下でしたが、全体への寄与は0.8%ポイントに留まっており、指数値も他の財分類が90を割る中で、90越えを維持しています。
 なお、非耐久消費財の中国向け出荷は、微増ではありますが前月比0.2%上昇で、その水準も基準年から比較すると、2倍近い、かなり高い水準となっています。これは、化学工業の中の化粧品類の中国向け出荷が大きく増加しているからです。昨年は、化粧品類の生産、出荷が、時折全体を押し上げていましたが、この背景には、訪日客の「爆買」だけではなくて、中国向け出荷の好調もあったようです。

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集計結果又は推計結果|鉱工業出荷内訳表、鉱工業総供給表|経済産業省

 

◎鉱工業図表集

 

◎データ冊子

 

◎バランス表って?