経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

イベント性のある個人向けサービスが10月の大きな盛り上がりから、反動的に低下し、11月の第3次産業活動指数を低下させていました。事業者向けサービスは、実は悪くなかったとも言えます。

 第3次産業活動指数の対事業所/対個人のサービスの別について、見ていきます。
 平成27年11月の「広義対個人サービス」指数は、指数値104.5、前月比▲1.0%低下と2か月ぶりの低下でした。この所、対個人サービスは、前月比の方向が毎月入れ替わる状態が半年ほど続いており、指数の動きが安定しません。
 一方、「広義対事業所サービス」指数は、指数値102.4、前月比▲0.3%低下と6か月ぶりに前月比低下となりました。

 

 11月の第3次産業活動総合への低下寄与では、対個人サービスの低下寄与がかなり大きくなっています。業種別で見たときにも、確かに最も低下寄与が大きかったのは、生活娯楽関連サービスでしたので、対個人サービスが弱いのは納得ですが、卸売業の低下寄与も大きかったので事業所向けサービスも勢いがなかったようにも思えます。

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 ただ、卸売業を取引相手の属性で分けた再編集系列でみると、産業使用者向けよりも小売業向けが大きく低下しています。この小売業向け卸売業の第3次総合に対する低下寄与▲0.22%ポイントを、対事業所向けサービス業の低下寄与▲0.15%ポイントを仮に控除すると、その寄与のマイナスが無くなります。
 このような結果からすると、11月の対事業所サービスは、確かに6か月ぶりに前月比低下ではありますが、企業のサービス中間投入が一気に冷え込んだということではないようです。

 

 次に、対個人サービスを「非選択」と「し好的」に分けた指数では、10月とは打って変わって、し好的個人向けサービスが前月比▲2.6%低下と大きく低下、非選択的個人向けサービスも前月比▲0.3%低下となりました。非選択的もそうですが、し好的サービスでは10月の上昇分以上の低下幅となっており、ここに来て平成27年でも最も低い指数値となりました。前年同月比も8か月ぶりにマイナスとなっており、し好的個人向けサービスは、方向感も水準感も悪くなっていました。

 

 11月のし好的個人向けサービスを低下させた系列は、自動車小売業や織物・衣服・身の回り品小売業などの小売業、「食堂、レストラン、専門店」、旅館、「遊園地・テーマパーク」などでした。
 例えば、テーマパークなどでは、10月のハロウィンで客足が伸び、その結果、イベントの谷間的な11月に大きく客足が落ちたという要因のほか、天候要因や3連休が前年よりも少なかったことが影響しました。

 し好的個人向けサービスには消費増税後としては最も高い指数値となった10月からの反動減少もあっったようで、いわば、10月の盛り上がり(例えば、遊園地テーマパークの10月の指数値は増税後2番目の水準です)から、11月には選択の余地のある必需性の低い家計支出、イベント性のある家計支出が抑えられたようです。

 

 対事業所サービスでは、11月に受注ソフトウェアや卸売業の一部の系列が全体を引き下げていましたが、その卸売業のうち、小売業向け卸売業の低下分を除くと、対事業所サービスの低下寄与はほぼ無くなります。
 また、対事業所サービスとして重要な「投資向けサービス」は、11月前月比1.1%上昇と2か月連続の上昇となっています。前年同月比も大きく上昇しており、水準的にも7月以降の4か月は高くなっていたようです。

 

最新結果の概要|第3次産業活動指数|経済産業省

 

◎第3次産業活動指数 図表集

 

◎データ冊子

 

◎データ冊子 「見方/使い方」