経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

11月のサービスビジネスでは、家計向けの「生活娯楽関連サービス」のうち、外食関係や遊園地・テーマパークなどが大きく低下。連休の数や天候要因、10月(ハロウィン)からの反動減の側面も。

 平成27年11月の第3次産業活動指数では、11大分類業種のうち、低下業種が7業種、上昇業種が4業種という結果でした。

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 低下寄与の最も大きかった業種が、「生活娯楽関連サービス」で、この業種の寄与度がマイナス0.45%ポイントであり、第3次産業総合の低下のかなりの部分を説明してしまいます。

 この「生活娯楽関連サービス」を低下させたのは、「ファーストフード店及び飲食サービス」「食堂、レストラン、専門店」、そして「遊園地、テーマパーク」「プロスポーツ」といった系列になっています。外食関連と娯楽関連ということになります。これらのうち、「ファーストフード店及び飲食サービス」「食堂、レストラン、専門店」、そして「遊園地、テーマパーク」の3個別系列は、10月に非常に大きく上昇していました。11月は日照時間が短かったり、連休が前年より少なかったりといったことから、個人客の出足が鈍ったことの影響のようです。ちなみに、この3系列の第3次産業総合に対する影響度は、そろって▲0.05%ポイントととなり、全体的に不調であったことがこの面からも分かります。

 プロスポーツについては、ウェイトの大きいプロ野球日本シリーズの決着が10月でついてしまったことの影響です。

 

 次に低下寄与が大きかった業種は、卸売業です。この卸売業の中の低下寄与個別系列を見ると、鉱物・金属材料卸売業や化学製品卸売業など企業間の原材料取引を担う業種の低下の寄与によるところが大きくなっています。
 ただ、卸売業については、「産業使用者向け卸売業」と「小売業向け卸売業」に分けた指数も計算しています。これをみると、11月では、産業使用者向け卸売業は前月比▲1.0%低下となっていた一方で、小売業向け卸売業は前月比▲3.5%低下なっていました。総合に対する影響度という点でも、小売業向け卸売業の低下寄与が3倍程度となっていました。
 小売業自体の全体に対する低下寄与も3番目で、その前月比低下幅も▲1.8%低下と、平成27年の小売業としては最も大きな低下となりました(3月▲1.7%、6月▲1.5%)。
 鉱工業出荷においても、生産財出荷の前月比低下幅▲1.6%は、最終需要財の前月比低下幅▲3.5%低下や、消費財の前月比低下幅▲4.6%などに比べて小さなものとなっていました。
 卸売業の低下は、小売の低下、つまり家計消費向けの消費財の出荷の低下によるものであり、企業の中間財取引の低下は限定的でした(とはいえ、投資財の出荷は前月比▲3.1%低下なので、出荷全体よりも大きく低下しています)。


 これ以下の4業種の低下寄与は小さく、この4業種の低下寄与を合計しても、小売業一業種の低下寄与に及びませんので、11月の第3次産業活動の低下は、「生活娯楽関連サービス」「卸売業」「小売業」の低下によるものと言えるかと思います。
なお、この3業種は、10月は上昇業種であり反動減業種ということになりますが、個人関係の「生活娯楽関連サービス」と小売業は前年同月比でも低下となっており、少し水準感も悪くなっています。他方、卸売業は、6カ月ぶりの前月比低下ということから分かるように、ここ数ヶ月順調に指数を上げていました。前年同月比は6か月連続でプラスとなっており、水準感は維持されています(前年同月比4.7%上昇)。

 

 一方、前月比上昇業種については、3か月ぶりの前月比上昇となった「事業者向け関連サービス」の上昇寄与が大きくなっています。この業種は、9月、10月と前月比低下が連続して、指数水準が低下し、10月は前年水準を下回っていましたし、基準年の100も下回っていました。しかし、11月には、10月の低下分を取り戻した結果、指数値100も回復し、前年同月比もプラスに戻りました。

 

 内訳を見てみると、土木・建築サービス業が3か月ぶり、機械設計業が2か月ぶりの上昇となって、この事業者向け関連サービスを上昇させています。これらの系列は、10月の低下への寄与が大きかった系列であり、そこからの反動増となっています。

 

 11月の第3次産業活動指数の大分類業種の中では、11業種中6業種は前月上昇から反転低下業種であり、低下寄与の大きかった3業種はここに含まれます。この反転低下業種の中では、卸売業等の3業種が前年水準を上回っており、水準は悪くない状態です。生活娯楽関連サービスと小売業は、前年水準も下回っており、水準的もいささか分が悪い状態です。
 一方、唯一上昇寄与の大きかった事業者向けサービス業は、やはり反転上昇業種ですが、前年同月比はプラスとなっており水準感も良いようです。

 第3次産業総合が10、11月と大きめの上下動を見せていますが、それはこのような反動的な動きが全体を動かしているからと思われます。
 その中で、省エネ(省電力)化が進捗する中で長期的に低下傾向にある「電気・ガス・熱供給・水道業」はまだしも、生活娯楽関連サービスと小売業の2業種は11月に前年水準を下回っており、反動減の幅が大きくなっていることが目につきます。

 

最新結果の概要|第3次産業活動指数|経済産業省

 

◎第3次産業活動指数 図表集

 

◎データ冊子

 

◎データ冊子 「見方/使い方」