経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成27年第3四半期の各種海外比率を業種別にみると、(広義の)電気機械工業では、出荷における海外の比重が少し下がっていたようです。

 日系製造業の国内/海外拠点両方の活況度合いを指標化したグローバル出荷指数から計算できる各種の出荷海外比率、海外市場比率、逆輸入比率を業種別に見てみます。
 
 まず、「出荷海外比率」です。出荷海外比率とは、日系製造業の世界全体の出荷のうち、海外拠点から出荷されたものの比率のことです。いわば生産、出荷元側からみた海外比率ということになります。

f:id:keizaikaisekiroom:20160115132021p:plain

 

 業種別でみると、平成27年第3四半期で出荷海外比率の最も高い業種は輸送機械工業(48.1%)で、この位置づけには基本的に変化はありません。それに次ぐのが、電気機械工業(広義の電気機械工業で、鉱工業指数の業種分類の電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業、電気機械工業の合計)の31.4%です。4割に近い輸送機械工業と3分の1までは行かない電気機械工業ということになりますが、製造業全体の出荷海外比率を超えているのは、この2業種です。それ以外の業種の出荷海外比率は3割を超えていません。

 なお、平成26年第3四半期の各業種の出荷海外比率を平成27年第3四半期と比較すると、全12業種うち輸送機械工業を含む4業種で出荷海外比率は上昇していますが、電気機械工業を含む8業種はその比率を下げています。

 電気機械工業の海外出荷指数は前年同期比も低下し、出荷海外比率が前年水準を下回ったということで、昨年第3四半期のエレクトロニクス3業種の合計である「電気機械工業」の海外現地法人の活動は勢いが鈍っていたものと思われます。また、電気機械工業の出荷海外比率の推移は、輸送機械工業とは異なり、平成25年第2四半期をピークにこの3年間ほどは緩やかに低下しているようです。

 

 次に「海外市場比率」です。海外市場比率とは、国内出荷における輸出向け出荷と、海外出荷における自国(海外現地法人の所在国市場向け)向け出荷と第3国(所在国と日本以外の国)向け出荷の合計が、グローバル出荷に占める割合のことです。いわば、日系製造業が海外市場の需要に依存している割合ということになります。

 

 業種別でみると、平成27年第3四半期で海外市場比率の最も高い業種は輸送機械工業(59.7%)で、この位置づけには基本的に変化はありません。それに次ぐのが、電気機械工業の40.9%です。製造業全体の海外市場比率が41.0%であり、2位の電気機械工業でもこの値を下回っています。要すれば、海外市場への依存度が6割に近い輸送機械工業と4割以下のそれ以外の製造業にはっきりと分かれていることになります。
 供給(生産、出荷元)と需要(出荷先)でみた海外比率を比べると、輸送機械工業が製造工業全体との比較で、突出してグローバル化しているといった印象です。逆に、電気機械工業では、ここ2年ほど(平成25年第3四半期~)の需要先の海外依存度は、製造業平均に近い状態で推移しています。

 なお、平成26年第3四半期の各業種の海外市場比率を平成27年第3四半期と比較すると、全12業種うち輸送機械工業を含む6業種で海外市場比率は上昇していますが、電気機械工業を含む6業種では比率を下げています。

 

 最後に「逆輸入比率」です。逆輸入比率とは、日本市場に供給される輸入品のうち、日本製造業の海外現地法人が日本向けに出荷したものが占める比率のことです。

 

 業種別でみると、平成27年第3四半期で逆輸入比率の最も高い業種は輸送機械工業(65.0%)で、この位置づけには基本的に変化はありません。それに次ぐのが、電気機械工業の48.3%、第3位がはん用・生産用・業務用機械工業の33.1%です。製造業全体の海外市場比率が24.5%であり、この3業種が製造業平均の逆輸入比率を上回っています。

 ただ、高い逆輸入比率をみせている3業種でも、その逆輸入比率の推移には、違いがあります。
 日本への輸入品供給の7割近くが海外現地法人からの出荷である輸送機械工業、四半期ごとに変化はあるものの4~5割の水準で推移している電気機械工業、そして過去には5割が逆輸入であった時期もあるのですが、足元では3分の1にまでその比率を低下させているはん用・生産用・業務用機械工業と、三者三様の動きとなっており、興味深いところです。

 さて、平成26年第3四半期の各業種の逆輸入比率を平成27年第3四半期と比較すると、全12業種うち6業種で海外市場比率は上昇していますが、逆輸入比率の高い輸送機械と電気機械工業は比率を下げており、特に電気機械工業ではその差が大きくなっています(53.2%から48.3%へ)。

 

 全体的に各比率をみると、平成27年第3四半期の電気機械工業では、出荷海外比率、海外市場比率も前年水準を下回っており、海外出荷指数自体も前年同期比低下なので、電気機械工業の海外出荷の比重は、どの指標を見ても低下していたことが見て取れます。

 

グローバル出荷指数(平成22年基準)について(平成27年Ⅲ期(第3四半期))|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

◎スライドシェア