経済解析室

第3次産業活動指数、鉱工業指数などを使って、経済産業の「今」について考えていきたいと思います。

平成27年第3四半期の出荷海外比率、海外市場比率ともに前年同期と比べると上昇、ただ、逆輸入比率は、少し下がり始めているようです。

 日系製造業の国内/海外拠点両方の活況度合いを指標化したグローバル出荷指数を用いて、日系製造業の世界全体の出荷のうち、海外拠点から出荷されたものの比率を計算することができます。これを「製造業出荷海外比率(品目ベース)」と称しています。

 平成27年第3四半期のグローバル出荷指数に占める海外出荷の比率である「製造業出荷海外比率(品目ベース)」は、29.4%となりました。日系製造業のグローバルな経済活動のうち、既に実質(品目数量ベース)で3割は海外現地法人の活動結果になっているということになります。

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 平成27年第3四半期の出荷海外比率は、第2四半期の30.3%からは低下しています。

 しかし、海外出荷比率にも季節的な変動があり、1年の中で第2四半期に高い値を見せ、第3四半期には低下するというパターが見てとれます。よって、第3四半期の出荷海外比率の値が第2四半期と比べると低下していていることをもって、出荷海外比率が方向として低下しているとすることはできません。

 そこで、過去の第3四半期の出荷海外比率を確認すると、前年である平成26年第3四半期の値は28.4%、平成25年第3四半期では26.9%であり、時間とともにやはり出荷海外比率は平成22年以降上昇しています。ここからすると、平成27年第3四半期の出荷海外比率29.4%はやはり方向としては、海外出荷の割合が増えていた結果と解釈する方が妥当かと思います。

 

 この出荷海外比率の前年同期からの変化を、国内要因と海外要因に分けると、海外出荷が増加することで、出荷海外比率が上昇しています。国内拠点の活動の低下による影響もありますが、基本的には、海外現地法人の活動の活発化が出荷海外比率上昇の要因ということになります。

 

 次に「海外市場比率」です。海外市場比率とは、国内出荷における輸出向け出荷と、海外出荷における自国(海外現地法人の所在国市場向け)向け出荷と第3国(所在国と日本以外の国)向け出荷の合計が、グローバル出荷に占める割合のことです。いわば、日系製造業が海外市場の需要に依存している割合ということになります。

 下のグラフでは、赤の点線が海外市場比率の推移となります。

 

 平成27年第3四半期の海外市場比率は41.0%に達しています。日系製造業の出荷するものの4割以上は、海外市場で販売されているということになります。
 この海外市場比率についても、出荷海外比率と同様に、第2四半期に高くなって、第3四半期に低下するという季節変動的な癖がありますが、それでも、平成27年第3四半期の海外市場比率は、平成26年以前の第3四半期の値と比較して、過去最高と評価できると思います。

 

 最後に「逆輸入比率」です。逆輸入比率とは、日本市場に供給される輸入品のうち、日本製造業の海外現地法人が日本向けに出荷したものが占める比率のことです。

 逆輸入比率は、このグラフの緑の点線です。

 

 平成27年第3四半期の逆輸入比率は24.5%です。逆輸入比率は、一昨年第4四半期に26.5%と過去最高値になりましたが、これは一時的な現象で、平成24年第2四半期以降は25%前後を推移しています。「国内需要をまかなうための海外生産」に頼る割合は、あまり変化していないと思われます。
 季節性を除去していない指数で計算していますし、平成24年第4四半期の値が高いことの影響もあり、断定は難しいですが、平成27年第3四半期及び前期の逆輸入比率は、24%台で、逆輸入の水準が少し低下しているように思えます。

 

 

グローバル出荷指数(平成22年基準)について(平成27年Ⅲ期(第3四半期))|その他の研究・分析レポート|経済産業省

 

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